カナダの大学の選び方(学校の規模編)
こんにちは。
Masaです。
今回は学校の規模の観点から、大学を選択する方法についてお伝えします。
大規模校と小規模校
AUCCのページにカナダの各大学の在籍者数が掲載されています。
在籍者数最多はトロント大学で大学、大学院、フルタイム、パートタイム合わせて8万人以上、最少はどこまで正確かは不明ですが、ドミニカン大学の90人です。
概ね在籍者数1万人以上は大規模校と言ってよいと思います。
先日のランキングでご紹介したMedical Doctoral University (博士課程のある大学)は、ほぼ大規模校になります。
大規模校を選ぶか、小規模校を選ぶかは、大学に何を求めるかによって異なってきます。
一般的に、大規模校と小規模校は、それぞれに以下のような特性があると言われます。
◆大規模校
取得できる専攻や科目、参加できる課外活動の選択肢が多い
学生のバックグラウンドが多様
図書館、スポーツ施設、寮などの設備が充実している
1クラスの学生数が多い
教授との距離が遠い
◆小規模校
1クラスの学生数が少ない
クラスメイトや教授との距離が近く、親密になりやすい
多様なバックグランドの学生が少ない
取得できる専攻や科目、参加できる課外活動の選択肢が少ない
図書館、スポーツ施設、寮などの設備が充分でない
どちらも一長一短なので、最終的には、何を優先するか、ということになります。
もっと突き詰めて具体的に言えば、授業やクラスメイト・課外活動などの選択肢の多さを選ぶか、クラスメイトや教授との交流のしやすさを選ぶか、ということになります。
授業の心地よさに関わる1クラス当たりの学生数
この中で、1クラス当たりの学生数については、ちょっと実感がわきにくいかもしれませんので、私の経験でお伝えします。
トロント大学はカナダでも最も学生数の多い大規模校ですが、そのMBAのクラスでも、典型的な大規模校型の授業でした。
1年目は全て必修科目で、1クラス60名ほどの大規模教室でした。
この中で学生は発言をして、教授に対して良い印象を残していかなければなりません。
教授は驚異的な記憶力で、授業中誰がどのような発言をしたかを覚えているわけですが、発言しやすい質問には多くの学生が挙手をするし、難しい質問で60名がシーンとなっている中で発言するのも勇気がいるわけで、この中で存在感を示すのはなかなか難しいわけです。
また講義形式の授業になると、どうしても緊張感が緩みます。
席の後ろから見ていると、パソコンで内職をしている学生もときどきいましたし、期末で疲労がたまる時期には眠気に襲われることもありました。
あと、仲の良いクラスメイトは当然できるのですが、60名全員と仲良くなるというわけにはなかなかいきません。
3か月ほどでクラス替えでしたが、外国人の名前は私にとっては覚えにくく、正直、最後まで顔と名前が一致しない人もいました。
2年目は打って変わって選択科目になりますので、取るクラスによって人数は大きく異なります。
一番小さなクラスで15名ほどのクラスでした。
こちらは、教室も広々ゆったりと使う感じでリラックスしつつも、教授からの指名も頻繁に入るので、適度に緊張感も保たれます。
また、これは比較してこそ分かるものですが、随分と発言もしやすい雰囲気でした。
これは考えてみれば当たり前で、別に授業でなくても、300人が集まる集会で挙手して発言するのと、5人の会議で発言するのとでは、心理的な抵抗感が全然違うのと一緒です。
1年目で
「俺って全然発言出来ないし、ダメ学生だな・・」
と半分落ち込んでいたのですが、その理由の1つにはクラスの規模の影響があったことを小さなクラスを経験することで初めて実感しました。
また授業ではありませんが、教授と学生5-6名ほどで、机を囲んで座談会のようなものは何回か経験しました。
こちらは、逆に私にとっては距離が近すぎるというか、会話やディスカッションについていけない瞬間がないように、いつでも自分の発言ができるように、ずっと集中しすぎて、かなり疲れたのを覚えています。
お互いの人間関係が出来上がっていれば、むしろ楽なのかもしれませんが、関係が出来上がるまでは、あるいは関係が出来上がりそうにない人たちと一緒に、という状態だと厳しいですね。
ということで、私個人的には1クラス15-20名くらいの規模感が、一番心地よかったな、というのが実感です。
小規模校の方が学生満足度が高い?
もう一つ面白いデータをご紹介します。
Maclean’sには大学の学生へのアンケート結果が出ています。
①クラスメートとの協力機会
②異なるバックグランドの人との交流
③コースのハードさ
④学生と講師の交流
⑤学生活動に対する学校のサポート
の5つで学生に満足度を聞いていますが、②を除くと、ほぼ上位は小規模校が独占、下位は大規模校が独占といった状況です。
全項目に渡って新興のクエスト大学(実はAUCCのリストにない大学です)がトップになっているなど、この調査結果の信憑性には多少疑問は残りますが、この5つの切り口では、小規模校の方が概ね満足度が高いという傾向だということです。
まあ満足度が高ければ良い選択と言えるのか、これ以外の切り口はないのか、と思うところはありますが、1つの参考にして頂ければと思います。
最後までありがとうございました。
↓ 記事がお役に立ちましたら、あなたの一票をお願いいたします。
いつもご協力ありがとうございます!
-
前の記事
カナダの大学の選び方(強い分野編) 2013.09.03
-
次の記事
カナダの大学の選び方(費用編) 2013.09.06