社内英語公用語化について

社内英語公用語化について

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こんにちは。Masaです。

別のことを書こうかと思っていましたが、昨日、社内英語公用語化について言及しましたので、今日はそのテーマをもう少し書いてみます。

社内英語公用語化については、先行する楽天、ユニクロに続き、今年の4月にはライフネット生命も実施を打ち出しました。

ただし、現時点ではこの動きはそこまで大きくは広がっていません。
このままこの動きは縮小してしまうでしょうか?

 

昨日の議論を引き継いで、東京オリンピックが開かれる2020年を想定してみます。

7年後の日本を予測するのは難しいですが、可能性としては、私は将来この動きは拡大する可能性があるのではと思っています。

 

◆2020年のビジネス界は

まず7年後ですが、TPPの関税撤廃が開始されている、またはその準備段階にあることが想定され、それに伴い、多くの外資系企業が参入してくる、またはその計画をしている状況になっている可能性があります。

また日本企業にとっても、特に製造業、流通業、サービス業にとってはグローバル戦略が経営のますます重要な課題になっていることが想定されます。

そして7年後に、今の企業の経営層の半分くらいは入れ替わっています。
日本の企業の社長の平均在任期間は約7年だそうです。
ちょうど7年後に半分くらいは替っていることになりますね。

で、この環境変化の中、どんな人材が経営を任されるかというと、当然、国際感覚のある人材ということがかなり重視されると思います。
そういった人材が社内にいない場合は、ゴーンさんのように外国人が経営するケースも出てくるでしょう。

現状、英語公用語化が広がらない理由の1つに経営者自身に英語に対する拒絶感がある、というのもあるのかなと思います。

しかし、国際感覚のある人は、英語に対する拒絶感が少ない人が多いでしょう。
強力なリーダーシップを持つ国際派トップが、トップダウンで社内英語公用語化を決めるというケースが出てくる可能性はあります。

一方、現場の社員も、昨日お伝えした外国人留学生の増加や、外国からの高度人材受入れ施策によって、多国籍化が進みます。

最初は日本語ができる外国人から入りますが、外国人割合がある一定ラインを超えると英語しか分からない外国人も入ってきます。
外国人同士は英語でコミュニケーションできるケースが多いからです。

こうして環境が変わり、トップが変わり、現場が変わると、必然的に社内英語公用語化という動きはある程度、出てくるのではないかと思うわけです。
もし、7年後の段階で、先行する楽天、ユニクロの取り組みが一定の成果を出していれば、この動きはさらに加速すると思います。

大企業が社内英語公用語化をすると、社内文書がすべて英語化されます。
そうすると、その協力会社や下請け会社の中には、それに追随せざるを得ないところが出てくるでしょう。
そうして大企業の動きが中小企業にも波及していくわけです。

 

◆英語公用語化のマイナス面と対処法

このように、社内英語公用語化の動きは拡大する可能性があると思っていますが、個人的には導入の仕方に気を付けなければ、むしろ日本企業を弱体化させかねないリスクもあると思っています。

実は昔、部分的にですが、実際に社内英語公用語化を経験したことがあります。
2001年頃の話ですので、当時としてはかなり先進的な取り組みです。

当時私が所属していた部門は全員日本人の部門でしたが、部門の責任者が、「これからは英語が必要だ」ということで、毎週決まった曜日にある朝礼を英語化したのです。
この朝礼は、全員参加、全員が進捗を報告するという会だったので、全員が日本人だけど英語で発言します。

当時、私は英語恐怖症の真っ最中だったので、毎回、その会議が憂鬱で、日本語で作った原稿をインターネットで自動翻訳してそれを読み上げるだけでした。
そのうち、パターンが出来てきて、ほとんど同じ文面の一部を変えて報告するだけになっていました。
英語をレベルアップしようという気には全くならず、ただただその会議を乗り切ればいい、そんな思いでした。

会議の参加者も1-2名の海外経験がある中途入社組を除けば、全員英語が苦手。
原稿を読むのはみんな一緒でした。

良かったのは、その会議がとても短時間で終わることでした。
誰かの報告に対して、質問や突っ込みを入れたくても、それを英語でしなければならないので誰も発言しません。
そもそも全員の英語がちぐはぐなので、お互いの報告内容の半分も理解してない人が大半だったのでしょう。
英語化する前は、報告に対して、いちいち突っ込みが入っていたので、えらく長引く会議だったのですが、英語化して一方通行の報告だけになったので、時間は半分以下になりました。

英語でしゃべるのはその会議の時間だけだったので、会議が終わってから「ちょっと詳しく教えて」と声をかけられたり、補足のメールが届くこともありました。もちろん日本語で。

多分、初めてその光景を見た人は驚くか、笑い出すかでしょうね。
これが私が経験した社内英語公用語化の実態でした。

さすがに楽天やユニクロで、ここまでのことはないとは思いますが、社内英語公用語化を推進しようとすると過渡期は、似たような状況が出てくるのではないかと思います。

過渡期だけで済めばいいですが、もしこのような状況がずっと続くようだと、情報の伝達率という意味での会議の効率も良くないし、そもそもコミュニケーションが希薄になります。

英語公用語化も現場がやらされ感でやるだけだと、どうしてもこうなってしまいます。

社内英語公用語化を進めるなら、同時に英語の必要性を認識させる、英語学習のモチベーションを上げさせる施策も同時に必要になります。

例えば、

日本人社員をある日いきなり現地交渉を含む海外出張に一人で行かせるとか。
その担当者はランダムに突然指名されるというシステムになっているとか。
ただし、英語の勉強のためのサポートはしっかりしてくれるとか。

ちょっと荒治療ですが、こんな施策が同時にあって、社内英語公用語化は進むのだと思います。

 

・・・ということを言ってますが、

もし当時の私がこんなことされていたら、、、本気で辞めることを考えたかもしれませんね(笑)

でも、これからはそうなる可能性もあるということで、英語嫌いの皆さん、辞めなくて済むように心の準備だけはしておきましょうね。

 

最後までありがとうございました。