キャリアの作り方の変化と大学の役割
こんにちは。
Masaです。
最近「キャリア」ということについてよく考えます。
「キャリアアップ」「キャリアデザイン」「キャリアプランニング」など似たような言葉を多く耳にします。
今の時代、どう「キャリア」を考えていくべきでしょうか。
◆キャリア形成に関する2つの考え方
以前は、キャリアとは自分の目標を決めてそれに応じたキャリアを形成していくという考えが主流だったように思います。
現在は、その時々で偶然も含めながら経験したことを積み重ねていってキャリアが形成されるという考え方も出てきています。
前者ができるならそれに越したことはないと思います。
ヤンキースのイチロー選手は、子供の頃から目標を定め、そのためのキャリアを積んできている好例です。
一貫性があるキャリアというのはとても説得力があるものです。
留学や就職で、なぜその留学先、就職先を希望するのかと問われて、それまでのキャリアと一貫性のある理由が伝えられると、それはとても説得力を持つものになります。
でも世の中の変化スピードがとても早まってきていて先が見えにくい中、1つのものだけを追いかけるということがリスクにつながることもあります。
つい3年前までは、日本で原子力を学ぶ学生は多くいて、原子力発電所がその大きな受口となっていました。
しかし現在、原子力発電の先行きは極めて不透明なものになっています。
再稼働は行われる可能性がありますが、将来に渡り存続し続けるかは分かりません。
このことが影響して原子力を学ぶ学生は減少していると言われます。
これから学ぶ専攻を選べる高校生や大学の一般教養課程の学生は軌道修正ができますが、既に原発で働いている人や、それを目指して専門知識を修得していた学生にとっては、それ以外の選択肢に向かいキャリアを形成し直さなければならないかもしれません。
現在の時代は大きな変化の過渡期にあるように思います。
こういった時期は、その時々で変化しうる環境に変化しながらキャリア形成を考えていくことの方が有利なのかもしれません。
もしこの時期が過ぎ去り、再度安定の時代が訪れるとすると、目的志向のキャリア形成の考え方が再び優勢になるのでしょう。
◆キャリアは企業が与えるものから個人が獲得するものへ
このキャリア形成の変化を、企業に置き換えると、組織がキャリアを形成してくれていた時代から、個人がキャリアを形成しなければならない時代になった、と言うこともできます。
日本の企業は、海外の企業に比べて、極めて社員教育が手厚いと言われます。
それは、企業が、大学の教育に期待していないことが背景にあったり、長らく終身雇用制であったため企業ごとに固有の文化が形成されており、社員教育に社員をその文化に馴染ませるという役割があったりしたからです。
そして、一度企業に入ると、異動や昇進によって、ある程度のキャリアを企業側が形成してくれていたのです。
しかし、変化のスピードが早まり、教育方法が確立されていないような新たな分野が次々と立ち上がってくる中、企業側もコストをかけて社員教育をする余裕がなくなってきています。
雇用流動化により中途の即戦力を獲得しやすくなっていたり、外国人の規制がなくなってきていたりすることもあり、今後企業は自前で教育をする比重を徐々に減らしていくのではないでしょうか。
こうなるとキャリア形成は企業が与えてくれるものではなく、自ら形成していかなければならないものになります。
これは企業に属する属さないに関わらず必要になってくるものです。
◆どうやってキャリアを作るか
どんな方向性でキャリアを形成すればよいかと考えるときに、よく言われるのが、
①やりたいこと
②需要があること
③自分ができること
の3つの領域を考えるということです。
このときバランスはもちろん重要ですが、優先度としては①→②→③あるいは②→①→③の順番で考えるべきだと思います。
①は内発的なものなの、②はコントロールしにくいものですが、③は必要に応じて後から身につけることが可能です。
必要なものは、今ならまだ会社や組織が教えてくれることがあります。
ただし、これは若い世代限定です。
そうでない場合は、専門家、特に学校で教えてもらうという選択肢を考えてみる必要があります。
日本では一度社会人になると学校に戻るという発想があまり出てきませんが、キャリア形成が個人にゆだねられる比率が高い欧米では、社会人が学校に戻って必要な知識を学ぶということが一般化しています。
そういった意味で、大学にはキャリア形成や職業訓練という役割を担っていく必要があります。
そして、この手の取り組みはやはり海外の大学が進んでいるなと感じます。
私が通ったのがMBAだからというのもあるかもしれませんが、入学前のエッセイを書く時点で自分のキャリアについて本当に考えさせられますし、学校が始まってからも、学生による企業へのコンサルティングの機会提供や、ビジネスアイデアのコンペティション、インターンシップや就職に対する手厚いカウンセリングやサポートなど、キャリアや職業を考えさせられる機会が非常に多くありました。
先が見えない時代、自らキャリアを考え、作っていく手段としての海外大学留学、考えてみてはどうでしょうか。
最後までありがとうございました。
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