カナダの医療制度
- 2017.07.11
- グローバル&クオリティライフ カナダ移住
- カナダ, 移住
こんにちは。藤本です。
海外移住を考えている方にとって最も不安に感じられることの一つが医療事情だと思います。
特に我が家のように個人事業主として移住する場合、企業から派遣される駐在員と違って手厚い保険が会社から提供されるということがありませんのでなおさらです。
我が家も移住前に最も不安な点は医療でした。特に小さい子供がいるのでとても気になります。
この1年オンタリオ州に住んで感じたカナダの医療の特徴についてまとめてみたいと思います。
OHIP
オンタリオ州に居住を始めて3か月の待機期間が過ぎると加入が認められる公的保険をOHIP(オーヒップ)といいます。
主な対象は永住者やワークビザ保持者とその家族です。
OHIPがあると基本的な医療はすべて無料で受けられます。
病院に行っても、診察の後の会計は一切ありません。
どこまで無料なの?と思ってしまいますが、ガンなどで入院しても無料です。
ただし、歯科は有料です。
企業勤めをしている人は会社の福利厚生として民間の保険に加入している人も多いですが、我が家のように個人事業主でOHIPしか保険に入っていない、という人も少なくありません。
最初は民間の保険に自費で加入した方がいいのか考えましたが、カナダ人の友人に聞くと自分はOHIPしか持っていないし、それ以外は要らないと思うと言っていました。
カナダ人の医師の方も、ほとんどの人がOHIPだけで問題ないとおっしゃっていました。
ファミリードクター制度
北米では日本のように自由に自分が選んだ専門医に診てもらうということができず、毎回ファミリードクターを通してreferral(紹介状)を出してもらわなければいけないというのはご存知の方も多いと思います。
ファミリードクターを探すのは、一般的には紹介で、と言われていますが、公的機関で募集していることもあるので、その機関を通じて探すことも出来ます。
我が家もそうしてファミリードクターを探しました。
もっとも、最近はファミリードクターを持たない人も多く、予約なしで駆け込めるウォークインクリニックでまず診てもらい、そこから専門医にreferralを出してもらうことも多いそうです。
予防接種
日本と同じように無料の予防接種と有料の予防接種がありますが、オンタリオ州の方が無料で受けられる予防接種の数が多いです。
国として、日本よりも予防接種を重視していると感じます。
例えば子宮頸がんワクチンは今日本では副作用がある可能性があるとして接種を推奨はしていないようですが、オンタリオ州では決められた学年は学校で男女ともに無料で接種します。
我が家は娘二人なので心配になってファミリードクターに日本では子宮頸がんワクチンが論議をよんでいると話したのですが、かなり驚かれました。
カナダだけでなく、アメリカや欧州でも安全とされているそうで、なぜ日本では問題になるのかわからないと言っていました。
簡素な健康診断
健康診断はとてもシンプルに感じます。
先日我が家は夫婦でファミリードクターのところへ健康診断を受けに行きました。
体重、身長、血圧測定の後、医師による聴診、問診、触診と血液検査と尿検査で終了です。
日本でよくあるレントゲンや心電図はありませんでした。
カナダでは効果があるというはっきりとしたデータがないものは公的保険でカバーしないという考えがあり、日本で行われるような細かい健康診断は行われないのだそうです。
救急車は有料
救急車をよぶのにお金がかかります(45ドル)。
救急車をよぶほど深刻ではないのによんだと判断された場合は240ドルかかります。
余談ですが実は日本で救急車を何度かよんだことがある我が家。
結果そこまで深刻でなかったケースもあったので、反省しています。
それでも医師と看護師さんと救急隊員の方々はとても優しく、ありがたかったです。
待ち時間が長い
カナダの医療の最大の欠点は待ち時間の長さ。
しかし、緊急を要すると判断されたら早く診てもらえるので必要であれば遠慮せず強く訴えることが重要です。
まとめ
全体的にカナダの方が過剰と思われる医療サービスをバッサリ切り落として、必要と考えられているものにお金と人を投入しているような印象があります。
日本の医療は本当に素晴らしく、手厚いと思うのですが、医師や看護師にかなりのしわ寄せがいっているのが現状です。
高齢化社会に突入していくことを考えるとこの先もこの医療保険制度が続くとは到底思えず心配になってしまいます…。
何とか今のところ健康で過ごせている我が家ですが海外移住生活はとにかく体が資本なのでこれからも注意していきたいと思います。
-
前の記事
小学校の卒業式 2017.07.04
-
次の記事
トロントの引っ越し事情 2017.07.18