日本人は勝てるか?あるMBAクラスメイトの学びに対する姿勢

日本人は勝てるか?あるMBAクラスメイトの学びに対する姿勢

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こんにちは。

Masaです。

先日、私のMBA時代のクラスメイトの一人がカナダの大学で法学修士(Master of Law)を取得したことをFacebookを通じて知りました。

私にとってこれはちょっと驚異的なニュースでした。
というのも、あれほど過酷だったMBA課程を終えて、再び別の修士を取るために大学に行こうと思ったことがスゴイと思ったのです。

MBAの経験は私の人生にとても大きな影響を与えており、行って良かったと心から思えるのですが、もしもう一度行くかと言われると「いえ、結構です」と言いたいのが本音です(笑)。
それくらいハードな日々で、私にとってはもし仮に違うコースであっても、もう一度海外の大学で学べと言われたら、相当に気合を入れ直さなければ行けません。

そこを彼はMBA修了後3年で再び大学に戻ったことになります。
ちなみに、「彼」とはタイ人で年齢は私より4つくらい下。
彼もMBA在籍当時は、私や他のクラスメイト同様に辛そうでしたが、反面、常に冷静で、私がテンパっているときに何度か彼の冷静な言葉で救われたことがあります。
一度、MBA修了後にタイで会ったのですが、そのときはタイの一流企業に勤め、仕事にも生活にも満足そうでした。

そこで、彼になぜ法学修士に行ったのかメールで尋ねてみたのですが、その返答にとても感動したので、ご紹介したいと思います。

 

I LOVE learning (私は学ぶことを愛している)

そんな文言で彼の返答は始まりました。

彼はMBA留学する数年前、まだタイにいるときに実は2つの大学(学部)に通っていたそうです。
1つはビジネス、1つは法学を学ぶために。

しかし、あまりの大変さからよい成績を保つことが難しくなり、2年生になったときに断念してビジネス一本に絞ったそうです。(それでも踏ん張って2つの大学を1年は続けたところがまずエラい!)
一本に絞った甲斐があって成績は良好な状態をキープし、そのおかげでその後、グローバル企業への就職やMBA留学を実現することができたとのこと。

しかし、断念した法学の学位には未練があったと言います。

MBAを修了した彼はタイに戻ってタイのグローバル企業に就職、タイと北米を行き来する生活を送っていました。
前回私が彼にタイで会ったのはちょうどこのころでした。

その後、彼はカナダ駐在となり、再び生活の拠点をカナダに移します。
そこで目にしたのが法学修士の学生募集の案内。
10代で断念した法学の学位取得の夢をかなえるべく、挑戦したのだと言います。

フルタイムで学業に専念できたMBAとは違って、今回はフルタイムの仕事をしながらの通学。
仕事ではディレクターとしての業務をこなし、北米やタイへの出張を繰り返しながらの学業はかなり厳しかったみたいです。

(彼曰く、それでもMBAの方が厳しかったと。。。MBAどんだけ厳しいねん。。)

そして念願かなってこの度2つ目の修士号が獲得できたと。
もちろん彼の今後の仕事にも大いに役立つ内容だったと言います。

いや、ここまででもよくやったなと拍手を送りたいところです。

 

しかし、彼のメールはそれだけでは終わりません。

By the way, (ところで)

と彼の文章は続きます。

I don’t plan to stop here. (ここで止まるつもりはない)

何だろうと思うと

I want to have Doctorate degree. (博士号が欲しい)

これには驚きました。

彼は2つの修士に満足せず、更に先を見据えているわけですね。

新しいことを学び、自分を高めていけることが、大学に戻った理由だと彼は説明します。

そして、もう一つ現実的な理由も教えてくれました。

彼は2つ目の修士号を得て、Vice president(副社長、日本で言うと部長クラス)に昇格したそうです。

彼と同クラスの役職者にはMBA取得者はゴロゴロいて差別化ができなかったところ、2つ目の修士を得て差別化ができるようになったと。

 

会社にもよりますが、グローバル企業でマネジメントのクラスになるには、相応の学位が必要というケースがあります。

そのため海外では、学歴や成績に対する執着が、日本より強い面があります。

学位は自分が何ができるかの1つの証明というわけですね。

こういったことも海外留学すると学べることの1つです。

そして、何より学びに対する貪欲さ。

厳しい辛い思いをしてでも、新しいことを学んで自分を高めていくことに、これほど貪欲な人を私はあまり知りません。

そしてこれだけ力強く次に次に進める人たちが世界にはたくさんいるんだろうな、ということを改めて感じました。

こういう人たち相手に大丈夫か?日本人、そして私。

いや、頑張ろう。

そんな勇気をもらった彼とのやり取りでした。

最後までありがとうございました。