カナダに移住して良かった9つのこと、日本の方が良かった9つのこと

カナダに移住して良かった9つのこと、日本の方が良かった9つのこと

こんにちは。藤本です。

カナダに移住して、そろそろ8か月というところです。

今のところ生活も順調で、カナダに来て良かったなと思うところも多いですが、日本の方が恵まれているな、という面も同じくらいあります。

海外移住って、結局は、良いところと悪いところがどちらもあって、そのどちらに比重を置くか、が大切なのではと思います。

まだ1年にも満たない状況ですが、一度、現時点での、カナダに移住して良かったこと、日本の方が良かったことについてまとめてみたいと思います。

 

カナダに来て良かったと思うこと

1.日々肌で感じられる多様性とフレンドリーな人々

日本でも最近はだいぶ変化を感じますが、やはりトロントではいろいろな民族と接するのが当たり前の毎日です。

この多様性の中で、自分が他人と違うことっていうのは、どうでもよくなります。これは結構気が楽になります。

また、いろんな考え、習慣の人が共存しているため、小さなもめごとやトラブルを解消して妥協点を見出していくといったような経験をすることが日常茶飯事になります。

もちろんストレスに感じることも多いですが、子供の視点で考えると、小さいうちからこうした経験を積み重ねていくことは将来役に立つのではないかなと思っています。

 

そして、日本よりも知らない人同士の距離の近さを感じます。

スーパーのレジではお客のおじいさんと若いアルバイトの女の子が談笑していることがよくあります。

1歳の次女は最近そこらじゅうの知らない人に手を振っていますが無視されることはまずなく、みんなニコニコと話しかけてくれます。

 

2.壮大な自然ときれいな空気(?)

我が家が住んでいるエリアはとてもカナダとは思えないほど公共交通機関が充実しており、人や企業、お店もいっぱいあり都会なのですが、少し車を走らせると日本よりも壮大な自然が広がっています。

これからの季節がよくなる時期がとても楽しみです。

 

また、科学的な根拠はないですが、日本では特に冬の間アレルギー鼻炎でしょっちゅう耳鼻科に通っていた長女がトロントでは全く鼻炎に悩まされなくなりました。

同じような話はよく聞くので、こちらの方が空気がきれいなのかもしれません。

 

3.のんびりした雰囲気

日本に戻ると感じるのがスーツ姿の人の数の多さです。

こちらでも、もちろんビジネス街に行けばスーツ姿の人を見ることは多いのですが、その数は日本に比べれば圧倒的に少ないです。

そして、少し離れたエリアに行けば、平日の昼間でも、のんびり買い物していたり、歩いている人たちを見かけます。(何をやっている人たちなのかは分かりませんが^^)

そして、通勤時間に地下鉄に乗っても、東京のようにぎゅうぎゅう詰めということはなく、余裕があります。

夕方には早めにラッシュアワーがあって、週末は、のんびり過ごす人も多いです。

大企業が少ないので、経済的には日本よりは小さな国ですが、その分、人生を謳歌している人が多い、という印象です。

 

4.便利なサービスの発達

日本にもあるけど、今一つ浸透していないカーシェアリングや、デビットカードといったサービスが発達していて便利です。

カーシェアリングは、レンタカーに似ていますが、パーキングに停まっている車を、もし空いていれば、15分単位で借りることが出来る便利なサービスです。

予約は登録さえしておけばWebで数クリックで可能です。

デビットカードは、クレジットカードと違って、その場で決済が行われるカードで、クレジットと違って、信用が必要ないので、口座があればすぐに作れます。

 

私の家の周りでも、徒歩圏内にカーシェアリングのパーキングが10カ所以上あって、週末の当日でも空いている車を探すことが出来ます。

またデビットカードは、これまで使ったすべてのお店で利用可能で、おかげで、移住してからATMで現金を引き出すことはほぼなくなりました。

引き出した回数はここまで8か月で2-3回です。

 

5.充実したESL

移民の割合が非常に多いトロントでは、エリアによっては、第一言語が英語でない人の方が多かったりします。

娘のクラスでも、純粋な白人カナダ人は5%以下で、ほとんどは移民です。

そして、半分以上のクラスメイトが2か国語を話します。

そんな環境のため、小学校でのESLは非常に充実しています。

最初は全然英語についていけなかった娘も、今はESLの授業ならば、楽についていけるようです。

 

6.プレゼンテーション能力を育てる教育

小学校で出る課題として、目を引くのが、プレゼンテーションに関する課題が出るということです。

そのプレゼンテーションも、しっかりと型を教わって、それに沿って実施していく感じです。

最初にジョークを言ったりオープニングトークをして、相手に聞かせる態勢を作る、

次にこれから述べる内容の概要を3点に絞って伝え、相手の頭の中にインデックスを作る、

そして、その3点の詳細を述べる、

最後に、まとめを述べて、質問を受け付ける、

こんなプレゼンを小学校から人前でガンガンさせるのは、とても良いことだと思います。

 

7.珍しい学校のイベントと夏休みのキャンプ

充実しているのはESLだけでありません。

日本では学べなかったようなこともこちらでは学べていたりします。

特に娘はスケートの授業がお気に入りで、大のスケート好きになりました。

たまたまスケートリンクが近くにあるのもあって、授業以外でもリンクに通うようになって、いつの間にか後ろ向きに滑ったり出来るようになりました。

 

それから学校での行事も、日本では無かった変わったイベントがたくさんあります。

例えば、パジャマを着て登校する日とか、変な髪型にして登校する日とか、緑のものを身につけて登校する日とか。

小学校高学年になると全員がその通りにしてくるわけではないみたいですが、娘は楽しんでやっています。

 

それから6月の終わりからは2か月以上の長い夏休みに入ります。

この夏休みは宿題がないこともあって、各家庭とも、どのように子供に時間を過ごさせるか頭を悩ませるところです。

そこで、必須なのが、トロント市や学校、企業が主催しているキャンプに参加させることです。

一言でキャンプと言っても、実に色んなコースがあって、毎日日帰りで5日間通わせるというコースから、1か月ずっと寝泊りを一緒にするコースまであります。

内容も、演劇をやるコースとか、テニスをやるコースとか、英語を学ぶコースとか、自然の中でキャンプするコースとか、本当に色々です。

特にトロント市が主催しているコースは価格も安いので、競争が熾烈で、募集開始後数分で埋まるコースもあるようです。

娘は、この夏休み3つのコースに申し込みをしています。どんな結果になるか楽しみです。

 

8.PTAがない

日本では正直PTA活動に疑問を抱くことが多かったのですが、こちらではそういった仕事がありません。

イベントごとに親のボランティアを募ることはありますが、完全に任意です。

次女がいる我が家はなかなか貢献できませんが、希望者が購入できるピザをランチタイムに配るボランティアや、折り紙クラブでのボランティアは日本人のお母さんたちが多く参加されています。

 

9.冬場の家の中が暖かい

冬場が寒いカナダの家は、防寒もしっかりしています。

我が家も、冬場暖房をつけることは、そんなには無かったのですが、それでも室内はほぼ20度に保たれていました。

朝起きたときに布団から出るのが嫌とか、シャワーの後寒い思いをする、ということはありません。

家の中は、むしろ日本よりも暖かくて快適でした。

 

日本の方が良かったと思うこと

1.何でも高い物価

人口減少局面にあるデフレの日本とは違い、何でも値段が高く、そしてどんどん上昇していきます。

野菜や果物はそうでもないですが、それでも輸入品が多いのでやはりそんなに安くは感じないです。

不動産価格に至ってはもう毎年驚愕の上昇幅です。

今年また引っ越しを考えている我が家ですが、予算内では希望通りの条件はかなり難しいのでどの点を妥協するか、本当に悩ましいです。

 

2.いざというときに困る医療制度

健康でないと海外移住はできないと痛感します。

カナダでは基本的に医療は無料ですが、異常を感じても検査までに数か月待ちは当たり前。

検査を待っている間に症状が悪化するのもよくある話です。

救急にかかっても診てもらうまでに5時間待ったとかよく聞きます。

それでも緊急だと判断されると早く診てもらえるらしいので、我慢せずに自分の症状をしっかり病院のスタッフに伝えることが重要のようです。

 

また、歯科は保険でカバーされないのでかなり高額になるのも、生活していく上では気になる点です。

子供が虫歯になった場合、全身麻酔で治療する必要があると3000ドル程度かかることもあると聞きます。

 

3.ストレスが溜まるサービス窓口担当者の対応

移住してからも、移民局、税務署、小学校、保険会社、地下鉄、配達業者など、何かと政府窓口や企業担当者とやり取りする場面は発生します。

が、そのときの窓口担当者の対応というものは、基本的に、日本人にとってはストレスのたまる対応をされることが多いです。

電話しても対応した担当者によって言うことがバラバラなのは、よくあることですし、配達を頼んだら、自宅にいたのに、インターホンも鳴らさず、ドアのノックもなく、勝手に不在票だけ置いて持ち帰られたということもありました。

再配送の電話をしたら、「〇曜日はダメ、〇時はダメ、〇時から〇時の間ならOKだけど、時間の約束はできない。次自宅にいなかったら、倉庫まで取りに来てもらうからね。」と一方的に電話を切られることも。

たまに日本の会社とやりとりをすると、その丁寧過ぎる対応に、感動を覚えます。

 

4.面倒なチップ制度

外食時、タクシー利用時、常にチップが必要となります。

どれくらい払えば良いのか、というのは色んな説がありますが、安い説で、税抜き価格の10%程度、高い説で、税込価格の15%以上、という説があって、よく分からないのが、実感です。

でも、本当に注文したものが来なかったり、態度が悪かったりしたときは、チップを払わない、というのも有りです。

どっちにしても、面倒な制度です。

カナダ人に、日本にはチップ制度はないと言ったらうらやましがられました。

カナダ人でも面倒と思っている制度のようです。

 

5.使えないけど高い住宅保険、自動車保険

家を借りるときは、住宅保険が必須、自動車を買うときは自動車保険が必須です。

ここまでは日本もほぼ同様です。

しかし、その額と使い勝手がとても悪いのです。

特に自動車保険は、日本でどれだけ運転歴があろうと、カナダで運転歴が無ければ、初年度は年間4,000-5,000ドルかかります。

翌年以降は、事故がなければ徐々に下がるようですが、月々の自動車本体のリース料やローンよりも、保険料の方が高いという有様で、何だか萎えます。

 

そして、もし住宅や車で事故を起こして、保険金を請求するとなったら、翌年の保険料はさらに上がってしまいます。

これは、保険会社を変えても、情報が引き継がれるようです。

ということで、少々の損害なら、保険を使わず自腹で払う人も多いようです。

一体、何のための保険なのやら。。。

 

6.軽視されている食育

妻はこちらにきて娘のために週6日お弁当を作っています。

日本人なら誰もが思うことですが日本の給食制度は本当に素晴らしいです。

給食なら娘も苦手な食材もできるだけ頑張って食べていましたが、妻が作る弁当はどうしても娘が好きなもの、食べやすいものがメインになってしまいます。

 

こちらでも親の負担を減らすべく、定期的にランチをオーダーできる日が設定されています。

しかし、日本の給食とは雲泥の差があります。

パンケーキとチョコレートミルクとか。ミートボールとパスタとか。そういったメニューで、5ドルとか6ドルとかかかります。

 

そういうわけで、野菜がいっぱいだった日本の給食がとても恋しいです。

ただ、日本でも最近はアレルギーの子が増えていたり、国際的なバックグラウンドを持つ子供が少しずつ増えてきたりで、給食制度も今後は維持するのに今までよりも努力が必要になってくるかもしれませんね。

また、学校にはスナックを持ってきてもいいのですが、あまり健康的でないスナックを持ってくる子も多いようです。

虫歯も心配なので甘いスナックを持っていくのはどうかと思うのですが、娘はおいしそうなお菓子を食べている友達を見るとやはり自分も持っていきたくなってしまうようです。

 

7.運動不足

日本では通学のため真冬も真夏も毎日2キロ以上はガンガン歩いていた娘。

こちらではたまたまですが小学校は目の前にあるためちょっと運動不足気味です。

小学校が遠い場合はスクールバスが利用できたり、親が子を車で送迎する家庭が多いため、全体的に子供たちが運動不足のように見えます。

もちろん体育の授業もありますが、日本に比べるとだいぶ運動量は低めのように思います。

 

また日本では学校から帰ってきた後子供たちだけで外に出て遊ぶようなことも多かったですがこちらでは子供だけで遊ばせることがないため、友達と放課後約束したらどちらかの家で遊ぶことが多く、やはり運動不足になってしまう気がします。

 

長女は保育園育ちで年長の頃にはもう鉄棒で毎日グルグル回っていましたが、次女はこちらで育つので体操などの習い事をさせない限り、鉄棒って何?という状態になるのではないかなーとちょっと心配しています。

 

ちなみに、娘だけでなく、私もかなり運動不足です。

まあ自宅で仕事しているのが大きいですが、冬場は寒くて外に出歩く気が起きないんですよね。。

そろそろ暖かくなってきたので、しっかり運動するようにしたいと思います。

 

8.幅が狭い学校のカリキュラム

日本では小学校で水泳、裁縫、料理、楽器、その他いろいろ本当にたくさんのことを経験させてくれますね。

カナダではこうしたことをさせたければお金を払って習い事を探すことになります。

また、文化祭や体育祭などのような大きな行事がありません。

 

やはり一つの目標に向かってクラスで協力して準備をする、という体験をする機会は日本の方が多いように思います。

 

9.保育料がバカ高い

次女くらいの年齢の子供を保育園に入れようとしたら大体1か月1200ドルほどかかります。

日本では所得の高い世帯でも確か月6万円程度だったと記憶していますので、倍ですね。

要件を満たせば補助金が出ますが、待機リストがあるので登録してからかなり時間がたたないと順番がまわってきません。

また、保育園自体も待機リストがあって順番待ちになります。

我が家も次女を保育園に入れたい気持ちはあるのですが現実的ではないため夫婦で何とか乗り切っています。

 

 

ということで、移住して良かったことと日本の方が良かったことを、それぞれ挙げてみました。

繰り返しますが、海外に住むというのは、良い面と悪い面と両方あると思います。

自分の人生や、家族の幸せのために、何を優先すべきか、が大事ですね。