「リーディングとライティングができなくて大学に入れることは絶対にない」

「リーディングとライティングができなくて大学に入れることは絶対にない」

こんにちは。藤本です。

今月から長女が現地のミドルスクール(中学校)に通いだしました。

 

長女は11歳で、日本で言うと小学校5年生なのですが、今住んでいる地区ではこの9月から中学校に行くことになります。

ちなみに、「今住んでいる地区」と書いた通り、トロントでは住む地区によって、何歳から中学校に行くかが決まるんです。

不思議ですよね。

 

別の地区では、12歳まで小学校で、13歳から中学校。

また別の地区では、14歳まで小学校で、15歳からいきなり高校です。

一応、高校の開始年齢は全地域で共通のようですが、小学校と中学校の区分が曖昧なんですよね。

なんかややこしいです。

 

夏の家探しの際、同じミドルスクールの校区に引っ越すか、違うミドルスクールの校区に引っ越すか選択しなければいけなかったので、いくつかの学校のオフィスを訪ねて情報を収集しました。

が、やはりトロント、実際はコンドの空き状況が厳しいので、ミドルスクールを基準に引っ越し先を選ぶことは難しかったです。

 

結局は引っ越し先も以前住んでいたところと同じミドルスクールの校区となりました。

実はこの点は少し不満でした。

なぜならこのミドルスクールは他のミドルスクールと違って、ESLクラスとレギュラークラスが固定されていて、レギュラークラスとは完全に別。

ESLクラスの子供たちは、いろいろな教科を一日中ESLクラスの中だけで学び、レギュラークラスの子供たちとは触れ合う機会がないからです。

 

去年1年間、長女は小学校で、午前中はレギュラークラス、午後はESLクラスで学びました。

もちろんレギュラークラスではとても大変で、慣れるまでは家で泣くこともありましたが、後から考えるとレギュラークラスで学んだことはとても大きかったとも思います。

その経験から一日中ESLクラスで学ぶのはどうなのだろう?と少し心配でした。

 

しかし、先日ミドルスクールで”Meet the Teachers Night”という行事に参加して初めて担当の先生の話を聞く機会があり(学年最初に行われるクラス懇談会みたいなものです)、心配していた気持ちがとりあえず無くなりました。

 

先生からの話はこんな内容でした。

  • ESLクラスだから簡単と思わないで欲しい。
    英語に焦点をあてながら、すべての教科を年齢相応のレベルで教えていく。
    それはレギュラークラスに移行してから困らないようにするため。
  • 私の仕事は子供たちを早くこのクラスから追い出すこと。
    でもレギュラークラスに移った子供たちが他の子供たちについていけなくて辛い思いはしてほしくない。
    だから十分にやっていける状態になってからしかESLクラスからレギュラークラスに移すことはしない。
    そのために自分は厳しくやる。
  • ミドルスクールは小学校とは違う。
    ESLを卒業してよかったねでは終わらない。
    この後、高校、大学に通用するように子供たちを鍛えていく。
  • 最も大事なのは読む力。
    読むことができればライティングも伸びていく。
    スピーキングやリスニングは私にとっては重要ではない。
    スピーキングができなくても大学に入れるけど、リーディングとライティングができなくて大学に入れることは絶対にない。
  • ESLはどんなに長くても3年以内に卒業するべきだが、本当の意味でネイティブスピーカーの子供たちに英語力で追いつくには5年から7年かかる。
  • 母国語で読む力を養うことも重要。
    母国語の力を伸ばすことが英語力にもつながる。

 

海外で育てば子供はすぐに英語を身に着けるよとよく言われますが、そんなに簡単なことではありません。

 

中学、高校くらいから英語圏で育った日本人の方のリーディングや、ライティングを拝見することがありますが、スピーキングやリスニングの面ではネイティブスピーカーと同じように英語を使いこなせていても、実は少し複雑な文章は正しく読めない、正しい英語を書けないという人はとても多いということを私も肌で感じています。

 

先生の話を聞いて、最初に感じていた心配をよそに、やはりしっかり英語力を上げてからレギュラークラスに移るべきという考えも一理あるのかもしれない、と思うようになりました。

 

予定されていた時間を大幅に過ぎながらも熱く語ってくれる先生の話を聞きながら、親としてもしっかりサポートしていかないといけないなと改めて感じました。

ピアノ、補習校に加えて大好きなスケートのシーズンももうすぐ始まりますし、今年度も長女は忙しくなりそうです。