カナダの移民制度

カナダの移民制度

こんにちは。藤本です。

最近カナダの永住権申請についてご相談を受けることが多くなってきました。

実は私の妻はカナダ政府公認移民コンサルタントの資格を持っているため、妻が皆さんの経歴などをお伺いしながらいろいろな選択肢についてお話させて頂くこともあります。

カナダの永住権について関心をお持ちの方が多いことを実感します。

 

移民を多く受け入れているカナダですが、そのルールはとにかく頻繁に変わります。

その変遷をみていると、カナダ政府がいかにカナダ経済に貢献できる有能な人材を優先的に受け入れる制度を構築できるか、試行錯誤していることがよくわかります。

 

私達が永住権申請した頃、審査は先着順でした。

毎年受け入れ人数が決まっていましたし、書類はすべて紙ベースだったため、世界中から届く申請書類の中での競争は非常に厳しいものでした。

 

今では私達が応募したカテゴリーは先着順ではなく、個人のプロフィールをオンラインで登録し、ポイントが計算され、そのポイントが高い人から永住権申請の招待状が送られるようになりました。

そしてそのポイント配分も、このシステム導入後から何度か変更されています。

 

一番大きい変更点はジョブオファー(就職内定先)がある人へのポイント配分です。

当初、ジョブオファーがある人へのポイント加点はとても大きかったため、ジョブオファーを持っていない人にはとても厳しいシステムでした。

 

そのため一部の関係者からは職歴の浅い若者を排除するものであるという批判の声がありました。

また、このシステムの結果、飲食店のスーパーバイザーや料理人に多く招待状が送られるようになり、本当に世界中の優秀で有能な人材を呼びこむというカナダの目的を果たしているのだろうかという疑問が寄せられていました。

そこで、カナダ政府はもっとhuman capital (人的資本)を重視するようシステムに変更を加えました。

 

具体的に重視されるポイントは「年齢、学歴、語学力」です。

長期的にカナダで成功するために必要な要素はこの3つであるといろいろなデータからカナダ政府が判断したということです。

その結果、永住権申請の招待状を受け取った人のうち、ジョブオファーを持っている人の割合は大きく下がり、約10パーセント程度となりました。

これはジョブオファーを得るのが難しい人たちには朗報ですが、実はその分語学力の重要性がかなり上がっています。

カナダの永住権申請に興味があるという方はぜひ英語(もしくはフランス語)の勉強をしっかり頑張って頂きたいと思います。

 

このようにカナダ経済の状況やニーズに合わせて移民制度を頻繁に変更させるカナダ政府のやり方には申請者や移民コンサルタント・弁護士など多くの人が振り回されています。

が、ある意味では今後移民制度について真剣に検討せざるを得なくなる可能性が高い日本にとって、とても学ぶべき点が多いようにも思っています。

今後もカナダの移民制度はどんどん変更されていくでしょうから、その推移を見守っていきたいと思います。