多様性と入学条件

多様性と入学条件

こんにちは。藤本です。

 

日本ではいくつかの医科大学の入学試験で女子や浪人が不利になるように合否結果が操作されていたというニュースをよくみましたが、最近こちらでもこんなニュースを目にしました。

 

University of Toronto sees increase in Black medical students with new admissions program

https://t.co/ZYc8GqCD2Z

 

トロント大学医学部で学生の多様性を高めるためにBlack Student Application Program (BSAP)(直訳すれば「黒人学生入試プログラム」でしょうか)というプログラムが始まり、黒人学生の数が4年前に比べて4倍以上の14人となったそうです。

 

ちなみにトロント大学全体の黒人が占める割合は9%程度なのに対し、医学部では5%以下だそうです。

 

このプログラムの応募条件を満たすには、通常の学業などに関する条件に加え、自分が黒人であることを自分で認識し(self-identify)、なぜこの入試プログラムを選んだのかを説明するエッセーを提出する必要があると記事にあります。

なるほど、人によっては黒人という定義も曖昧なものでしょうから、こういう条件になるのですね。

また選考課程には黒人コミュニティのメンバーなども関わるようです。

 

最近長女の今後の進学についていろいろと調べる機会が増えましたが、こちらの大学入試は勉強だけではなくクラブ活動、ボランティア活動、リーダーシップを発揮した経験など、多角的に人物が評価され、かつ大学にどれだけ多様性を提供できるかという面を審査されると聞きます。

 

カナダのトップ大学であるトロント大学で、黒人の受験者用に特別ストリームが用意されるというのも、こういった多様性を重視する姿勢の表れなのでしょう。

ある意味、学力重視で試験結果のみで合否が決定する(と表向きはされている)日本の入試とは違った難しさがあり、長女の行く末を思うといろいろ心配ではあります…。