学校の再開について
- 2020.05.07
- カナダの生活
Covid-19拡大防止のため、オンタリオ州で学校の休校が突然発表されてからもうすぐ2か月です。学校再開の目途は全くたっておりません。
一方で隣のケベック州では5月11日から学校再開の予定(モントリオールは5月19日から)となっています。
実はケベック州はカナダの中でも最も多くの死者数を出しています。
5月5日時点の死者数
ケベック州2510 (人口848万人)
オンタリオ州 1429 (人口1457万人)
BC州124 (人口507万人)
人口比率からいってケベック州の死者数はかなり多いことが分かります。そしてBC州は死者数が124人とかなり少なめです。またアルバータ(112人)以外、他の州は死者数がゼロから2桁ととても少ないのですが、それでもカナダは今すべての州で学校が休校になっています。
この状況で、ケベック州が先に学校再開を決めたので結構な話題になっています。
先日読んだ記事にはこんなことが書いてありました。
●子供はCovid19に感染しても症状がないことが多く、それはワクチンを打ったようなものと同じ。つまり学校再開は社会全体の集団免疫獲得に役立つ
●そもそも集団免疫獲得の観点で考えると今学校を再開するのも9月に再開するのもあまり違いはない
●(子供は周囲に感染させにくいというデータもあるが)学校に通う子供が家で親や祖父母に感染させる可能性はあるので高齢者は引き続き自己隔離が必要。また、60代以上の教員は仕事をすることを免除されるべき
つまりケベック州の考え方としては「高齢者と若者を分けながら集団免疫獲得を目指して徐々に活動を再開することが大事」ということのようです。
そこで私が思ったのは
●相当数の親が子供を学校に行かせないという選択をするのだろう
●特に子供を持つ教職員が勤務を拒否するだろう
ということです。
やはり様々なSNSで学校が再開しても子供を学校に行かせないというケベック州住民の意見が見られますし、他の州の人からはケベックは頭がおかしいのではないかと言われたりしています。また、日本では先生が学校を休むことは滅多にありませんがこちらではあっさり自分の子供を優先して休むので、先生がちゃんと学校に来るのだろうか?という気もします。
学校の再開をやめるよう求める署名運動も起こっていると聞きますし、土壇場になってやはり再開を諦めるようなことはないかな?と思ったりもしていたのですが、こちらの記事によると約60パーセントの親が学校が再開したら子供を通わせると考えているそう。これは想定よりも多いとのことです。
なお学校再開後はいろいろな対策をとるようです。例えば、
●クラスの人数を減らすので担任は以前とは違う先生になる
●文房具やおもちゃは共有しない
●休み時間に外で歩くときは決められたパターンで歩く
●トイレの利用時はちゃんと手を洗っているかなどを大人が確認する
●体育やアート、ドラマの授業はしない
などなど、かなり多岐にわたって注意事項があるようです。
そういえば中国の小学校では他の子に近づかないように幅1メートルの帽子を子供にかぶらせたり、昼食は一人で仕切りの中に入って黙って食べるといった対策が取られているとか。
まだまだ学校再開が見えないオンタリオ州ですが、再開したとしてもこのような状況となるのかと思うと本当に暗澹たる気持ちです。
ところでオンタリオ州では今はオンライン学習が行われています。長女の先生も次女の先生もよくやって下さってることがわかりますし、教育委員会もインターネット環境がない家庭にiPadを貸し出し、Wifi環境を用意したりと短時間で出来る限りのことをやっていたと思います。とはいえ、正直教室で得られる学びや経験とはもうまったく異なるもので、個人的にはこの状態が続くのはすごく心配です…。
ケベックがこのまま予定通り学校を再開できるのか、また再開後どういったことが起こるのか、見守っていきたいと思います。
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