カナダの大学の選び方(費用編)
- 2013.09.06
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こんにちは。
留学コンサルタントの藤本政信です。
今回は、大学の選び方としての費用面の話です。
留学にかかる費用
留学にかかる費用の項目は、ざっと以下のような感じです。
渡航前の準備費(情報収集、試験、入学手続き等)
渡航費、荷物の搬送費
学費、テキスト費
生活費(住居・光熱費、食費、買い物、娯楽費等)
保険費、医療費
この中で、学校によって異なるのは学費の部分ですので、本日は学費中心にお話します。
費用だけで最初から選択肢から外すのはもったいない
まず結論から言いますと、カナダの大学の場合、大学を選ぶ要素として、費用はあまり大きな要素ではありません。
費用だけを見て、最初から大学を選択肢から外すのはもったいないです。
その理由をお伝えする前に、実際に各大学の学費を見てみましょう。
AUCCに各大学の人文系・学部の学費(カナダドル)が出ています。
ここから、以前ご紹介したランキング上位の大学の学費を抽出してみます。
①Medical Doctoral University (医学部のある大学)
順位 | 大学 | 州 | カナダ人学費(人文系学部) | 留学生学費(人文系学部) |
1 | マギル大学 | ケベック | 2,422 – 6,112 | 14,816 – 28,383 |
2 | ブリティッシュコロンビア大学 (UBC) | ブリティッシュコロンビア | 4,722 | 10,624 – 16,528 |
3 | トロント大学 | オンタリオ | 5,613 – 5,943 | 23,586 – 28,409 |
4 | クイーンズ大学 | オンタリオ | 5,625 – 5,706 | 19,522 – 22,249 |
5 | アルバータ大学 | アルバータ | 5,269 | 18,318 |
6 | マクマスター大学 | オンタリオ | 5,544 – 5,624 | 15,239 – 19,000 |
7 | ダルハウジー大学 | ノバスコシア | 5,113 – 6,135 | 14,358 |
8 | カルガリー大学 | アルバータ | 5,333 | 18,157 |
9 | サスカチュワン大学 | サスカチュワン | 5,070 – 5,310 | 13,182 – 13,806 |
10 | オタワ大学 | オンタリオ | 5,665 | 18,446 |
②Comprehensive University (医学部を併設していない総合大学)
順位 | 大学 | 州 | カナダ人学費(人文系学部) | 留学生学費(人文系学部) |
1 | サイモンフレイザー大学(SFU) | ブリティッシュコロンビア | 5,013 | 16,236 |
2 | ビクトリア大学 | ブリティッシュコロンビア | 4,959 | 16,045 |
3 | ウォータールー大学 | オンタリオ | 5,628 – 6,954 | 19,214 – 21,088 |
4 | ニューブランズウィック大学 | ニューブランズウィック | 5,857 | 12,982 |
5 | ゲルフ大学 | オンタリオ | 5,506 – 5,691 | 9,730 – 17,430 |
6 | カールトン大学 | オンタリオ | 5,649 – 5,973 | 17,157 – 19,698 |
6 | ニューファンドランドメモリアル大学 | ニューファンドランド・ラブラドール | 2,550 | 8,800 |
8 | ヨーク大学 | オンタリオ | 5,558 – 5,693 | 16,968 – 17,103 |
9 | レジャイナ大学 | サスカチュワン | 5,310 | 15,930 |
10 | ウィンザー大学 | オンタリオ | 5,473 – 5,557 | 15,460 – 16,370 |
③Primarily Undergraduate University (主に学士課程の大学)
順位 | 大学 | 州 | カナダ人学費(人文系学部) | 留学生学費(人文系学部) |
1 | マウントアリソン大学 | ニューブランズウィック | 7,095 | 14,900 |
2 | ノーザンブリティッシュコロンビア大学 (UNBC) | ブリティッシュコロンビア | 4,722 | 10,624 – 16,528 |
3 | レスブリッジ大学 | アルバータ | 4,925 | 11,150 |
4 | アカディア大学 | ノバスコシア | 5,775 – 6,797 | 13,993 |
5 | プリンスエドワードアイランド大学 (UPEI) | プリンスエドワードアイランド | 5,150 | 11,150 |
5 | トレント大学 | オンタリオ | 5,504 – 5,693 | 15,856 – 16,045 |
7 | セントフランシスゼイヴィアー大学 | ノバスコシア | 5,300 – 6,322 | 13,166 |
8 | ビショップス大学 | ケベック | 2,422 – 6,112 | 14,815 – 16,513 |
8 | セントメアリーズ大学 | ノバスコシア | 4,637 – 5,659 | 11,960 |
10 | モンクトン大学 | ニューブランズウィック | 5,292 | 8,972 |
(出典:Maclean’s University Rankings、AUCC Tuition Fees)
カナダの大学学費に関する3つの特徴
この表からカナダの大学の学費に関する3つの特徴が言えます。
1.カナダ人学生の学費と留学生の学費には大きな差がある
どの学校も留学生の場合、カナダ人学生のほぼ2-4倍の学費になっています。
2.同じカテゴリー、同じレベルの大学であれば、大学による学費の差より、州による学費の差の方が大きい
横並びで見ていて高いな!と思うところはオンタリオ州、安いな!と思うところはニューファンドランド・ラブラドール州といったように、大学による差というよりは、州の差が目立ちます。逆に同じ州内なら一定の範囲に収まっています。
3.学部メインの大学の方が、若干学費は低い
「①医学部がある学校」「②医学部を併設していない総合大学」「③主に学士課程の学校」の3つのカテゴリーを見ると、カナダ人学費はそれほど変わりませんが、留学生学費は①⇒②⇒③の順で高いことが分かります。
といっても、①に含まれる大学より、③に含まれる大学の方が高いケースもあるので、それほど絶対的な傾向ではありません。
3つの傾向から何が言えるか
まず、留学生として考えるならば、学費を決める大きな要素は州ということになります。
これは、ほとんどの大学は州立であることに起因しています。
従って、行きたい州が決まっている場合、例えば、どうしてもオンタリオ州に行きたい、ということであれば、あとはその中でどういう大学を選ぼうが、ニューファンドランド・ラブラドール州に行くより学費はかかる可能性が高いということです。
逆に学校の専攻などで志望校を複数出した場合は、どの州に住むかによって学費が変動する、ということになります。
ここで、単純に学費の安い場所を選ぶのも1つですが、せっかくの滞在になりますので、州によって異なる気候、住人構成、課外活動の機会など、留学期間中に得られるものを総合的に考えた選択をすることをお勧めしたいと思います。
さらに、これを言ってしまうと元も子もないのですが、もしカナダ人学費で留学することができれば、州による学費の違いなど吹き飛んでしまうことになります。
例えば、上に挙げた表の中で、留学生の学費として最も安いのはニューファンドランドメモリアル大学の8,800カナダドルですが、これはカナダ人学費で最も高いマウントアリソン大学の7,095カナダドルよりも高いわけです。
少しでも学費の安いところを、ということで色々なものを犠牲にして安い学費の学校を選んでも、もしカナダ人学費で済むのなら、良い条件の学校に、ずっと安く行けるということになります。
では、日本人がカナダ人学費で済むということがあるのでしょうか。
方法はあります。
まず、カナダの大学の多くでは、カナダの永住権を持っていれば、カナダ人の学費で授業を受けることができます。
カナダの永住権は比較的取得しやすく、国籍とは違うので日本国籍のまま取得できます。
また取得後は永住しなければならないというものではなく、数年間カナダに滞在していなければ権利は消滅してしまいます。
ということで、要件を満たしていれば誰でも取得を考えられる権利、というイメージです。
実際に、私が留学していたときも、学費を抑えるという目的のためだけに、かなりの割合の留学生が永住権を申請・取得していました。
しかし、永住権を取るまではしたくない、あるいは永住権が取れそうもない、という場合もあると思います。
学校によっては永住権を取る以外の条件で、カナダ人学費を申請できる場合もあります。
留学生学費減免プログラムということで各学校ともその条件を掲げています。
また学費は減らせなくても奨学金を得るという方法も考えられます。
ということで、少なくとも最初の段階においては、行きたい大学や州があるなら、まずはそちらを優先すべきです。
費用がかかるから最初からあきらめる、あるいは無理して優先度の低い学校を選択する、という判断は、慎重にするべきです。
合格してから、調べてみて、最終的に行かないという判断でも遅くはありません。
奨学金についての投稿はこちらをご覧ください。
最後までありがとうございました。
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