ストライキで休校

ストライキで休校

今週月曜日、ついにトロントの幼稚園・小学校・中学校はストライキで休校となりました。

 

以前も一度ストライキ直前までいったのですが、その時はギリギリで政府と教員組合間で一時的に合意に達し、前日の晩に回避が決定しました。

 

が、今回はもう事前にスト決行がほぼ決まっていました。というのも、ここしばらく交渉そのものが行われていないからです。先週長女の中学校では担任の先生から「来週月曜日は99.9パーセントの確率で休校になるよ」と話しがあったらしいです。

 

さて、オンタリオ州ではもうずっと教員組合と州政府間で揉めています。

 

予算削減のため、オンタリオ州が打ち出している政策が主な論点です。それは「1クラスあたりの生徒の人数を増やす」と「高校でオンライン受講できる科目を導入する(つまり人員削減)」です。しかし、それ以外にも要求事項は多岐にわたるようです。

 

ここ数か月、テレビなどのメディアでNo Cuts to Educationというスローガンとともに現役教師が出てきていかに教育が重要かという話をしているのを時々目にしました。

 

確かに、教育は重要なので予算を削減すべきではないという訴えに反論することは難しいでしょう。1クラスあたりのサイズが大きくなると目が行き届かなくなるのでとても心配でもあります。

 

一方でSNS上では教師はこれ以上どこまで好待遇を要求するのか!ストライキを起こして子どもの教育を受ける権利を奪うな!という声も見られました。保護者の間では割と意見が分かれているように思います。

 

インターネットで見た情報ではオンタリオ州の教員は1日当たり300ドルの給与を得ているとか。また福利厚生もとても充実していると言いますし、そういった背景を聞いてしまうと教師だけを一方的に支持するのも…という気持ちになる人がいるのもわかります。

 

さて今回のストライキで影響を受ける家族のため、州政府は申請した家族に対して助成金を出すことにしました (申請サイトはこちら)。レシートなどの提出は不要で、子供の年齢によって最高60ドルの助成を受け取ることができます。小さい子を留守番させるわけにもいかないので、親は仕事を休んだり、もしくは預け先を確保してお金を払わないといけないことを考えると、至極まともな決定だと思いました。

 

ところが一部の教員組合支持側の人たちからは「そのお金を受け取るな!それは保護者を味方につけたい州政府からの賄賂だ!」とか、「もし受け取るのであればそのお金は学校に寄付するという運動を広げましょう。寄付した証拠を写真に撮ってこのアドレスまでメールで送って下さい。」といった動きまであり、ちょっとびっくり。「助成金を申請する人を非難するのはおかしい。ここは自由の国だ。」という意見も出てきて、なんだか複雑な気分になります…。

 

最初はよく状況が分からず、また教師が給料を上げろといってストライキをちらつかせているよ…と思っていましたが、もっと問題は複雑なようです。日本の学校ではストライキはあり得ないので、いろいろ驚きですが、興味深く状況を見守っていきたいと思っています。