カナダは移民受け入れを増やす方針
- 2021.02.16
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北半球ではCovid-19の新規感染者数が減少傾向で、オンタリオ州でも(データ集計上の混乱があるのですが)一応減っています。それにともない学校再開が決定し、今後の経済の再開について検討され始めています。
そんな中、カナダ政府が永住権を大量発行したというニュースがありました。
カナダの永住権の申請方法はいろいろあり、結構わかりにくいのですが、最もメジャーなのがエクスプレスエントリーという申請方法を使って、経済クラスから移民申請をすることです。
エクスプレスエントリーに登録するとプロフィール内容によって(年齢、英語力、学歴、職歴など)スコア化(CRSポイント)され、大体2週間に一度行われるドローによって毎回推移するカットオフ(足切り点)を越えた人に永住権申請のための招待状が送られてきます。
これまで大体450は超えていないと招待状がきませんでした。私も、永住権申請のご相談を受けたときは実際にCRSポイントを計算し、400を越えるようであれば一応エクスプレスエントリーに登録するのがよい、というお話をしてきました。実際計算してみると、一般的な日本人の方にとっては400点でも超えるのは簡単ではないことがわかると思います。計算はこちら
ところが、今回なんとカットオフ点が75に下がりました。本当に、目を疑うくらいびっくりしました。
これまでのドローでは大体5,000人の方に招待状が送られていたのが、今回は27,000人以上に送られました。
ただ重要なのは今回招待状が送られたのは経済クラスの中の、カナディアンエクスペリエンスクラスという、カナダでの就労経験が最低1年ある人向けのカテゴリーです。
つまりすでにカナダにいて今現在ワークビザで就労していたり、カナダで大学やカレッジを卒業して卒業後に発行されるワークビザで就労しているような人たちが該当します。
こういう人たちはカナダの生活にすでに溶け込んでいる可能性が高く、カナダ経済への貢献も大きいと思われるので、このカテゴリーの申請者に永住権を大量発行するというやり方はなるほどな、と思いました。
いま世界各国がパンデミック対応のため巨額の財政出動を行っていますが、カナダの財政赤字は先進諸国で最速のペースで拡大したのだそうです。確かに、厳しいロックダウンが続き、日本とは比較にならないレベルでビジネスや公共サービスがストップしている上、様々な形で給付金が出されているので、財政への影響は計り知れません。とにかく移民を増やして、税金を払ってもらわないと大変なことになるだろう、ということのようです。今後パンデミックの終わりに向けて、世界レベルで労働者の獲得競争が始まるのかな、という気もしています。
しかし今後もトロントの不動産価格はいびつな形で高騰し続けるんだろうなと思うと、ここで生活していくことの大変さをひしひしと感じます…。
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