理系的英語上達の発想

理系的英語上達の発想

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こんにちは。

Masaです。

世の中の人を文系・理系に2つに分けるのって少し違和感ある感じもしますが、

「数字の羅列を見ると頭が痛くなる人」

「数字から何かを読み取るのが苦痛でない人」

がいるのは事実なので、それを1つの目安にして、今日は理系の感覚で書いてみます。

ちなみに私は大学院はMBAですが、学部は理工系の学部で、本来は理系人間なので、理系の感覚ってのがよく分かります。

数字の羅列を見たり、分厚い取扱い説明書を読むのが、文系の人にとって苦痛であるように、文系の人にとってはなんてことない考えが、理系の人にとっては結構苦しいことだったりします。

その1つが語学です。
理系で英語を苦手にする人は結構多いです。
今日は理系の人の感覚で英語攻略の考え方について書いてみます。

 

まず理系の人の感覚から

理系の人間って、理屈が通ってないと気持ち悪いんです。

いきなりA=Bだからこれを覚えろって言われても気持ちが納得しません。
納得しないから覚えられません。

でもA=C、C=BがあるからA=Bと言われるとすーっと気持ちよくなって覚えようという気になります。

何か事象があったときに、細かく分解していってすべてが理屈通りに行ってないと気持ち悪いんです。理系人間は。

でも大事なのは、何度も何度も同じものを見ていると、だんだん分解しなくても全体で認識できるようになるってことです。

ちょっと小難しい例えで恐縮です。(文系のみなさんごめんなさい)

ある定理Aの証明を見ているときに、その証明に他の定理Bが使われていたとします。
そうすると、その定理Bがなぜそうなっているのが気になりはじめます。
そして定理Bの証明を見ると、その証明にさらに定理Cが使われているとします。
でも定理Cは昔からなじみがあって当たり前と思っている定理だとします。
そうすると、それ以上定理Cの証明を知りたいとは思わず、定理Aの証明に戻って納得します。

最初はそんな感じですが、やがて定理Bを何度も見るようになると、そのうち定理Bも当たり前になって、定理Bを使った他の定理の証明を見ても気にならなくなります。

こんなイメージです。

もう少し簡単な例でいきます。

例えば小学生の子供に九九を覚えさせると、
「なぜ3×3が9なの?」
と聞かれます。

足し算が分かる子なら3+3+3=9というのを説明すれば理解します。
そしてしばらくは3×3の答えを出すのに3+3+3を計算して9という数字を出そうとします。
でもやがて何度も同じ掛け算をやることで、足し算で確認するというプロセスが省略されて3×3=9と直接分かるようになります。

大人は九九は当たり前に覚えているわけですが、実は掛け算は足し算の短縮形というプロセスを飛ばして、覚えているだけなのです。

色々難しい数学のロジックも分解していくと、最後は当たり前のように覚えている公式なり定理なりに行きつきます。
人によって「覚えている」レベルが異なるため、分解しなければならない度合いが大学で習う定理レベルで済む人と中学レベルの公式まで分解しなければならない人が出てきます。
前者は、それだけ理解のスピードも早く高度な数学まで理解できるようになるわけです。

 

英語も覚えているものの組み合わせ

英語も似たようなところがあるなと思っています。

英文を細かく分解していくと、主語、述語、目的語という要素に分解できるわけですが、主語+述語とか、述語+目的語の組み合わせは、使う回数が増えていくと、覚えてしまって、そのかたまりで口をついて出たり、一目見て理解できたりするようになります。

例えば三単現のSってのがありますが、使い慣れていないうちは、主語と述語をバラバラで考えているので、主語が三人称単数で述語が現在形のときはSをつけなきゃ、っと理屈で考えます。
これは相当注意していなければつい忘れてしまいます。

It take ~
She have ~

ってなってしまいます。
これが慣れてくると

It takes ~
She has ~

という2語はセットになって覚えているので、Sが無いのが逆に気持ち悪くなってきます。
同様に、述語+目的語も同じです。

そして、これらのセットになった表現がたくさん身につけばつくほど、スムーズに英語を理解したりしゃべったりできるようになります。

更に言うと、ひとまとまりの修飾句とか、簡単な文とかも、よく出てくる言い回しを、かたまりとして覚えてしまえば、英語の幅はグンと広がるわけです。

英語がスムーズに口から出てくる人は、頭の中で、
「主語が三人称単数で~、述語が現在形だから~、述語にSをつけなきゃ~」
なんてことは考えてません。
Itとtakeの組み合わせならかたまりで「It takes」と覚えているわけです。

普段あまり意識していないかもしれませんが、日本語だってどこかで聞いた表現が自分の中にストックされていて、それを組み合わせて使ったり、理解したりしているに過ぎないんです。

「今日は涼しいです」
という言い方で、「今日」を「昨日」にすると
「昨日は涼しかったです」
と過去形に変わりますよね。

これは頭で
「昨日のことだから、過去形にしなきゃ」
と思っているわけではなくて、子供の頃から何万回と
「昨日は~だったです」
という表現を聞いてきているから勝手にできることなんです。

なので、理系的発想の人に、あえて言い切るならば、英語上達の方法はよく使う表現をかたまりでひたすら覚えていくことです。
そして、そのバラエティが一定量を超えると読み書き、会話が一気に楽になるってことです。

最初から、その場で新しい表現を作り出しながら話すなんて無謀なこと考えちゃいけません
それはある程度基礎的な表現を身につけてからでいいと思います。

 

今日は「英語は理屈でなくて覚える」という話を理屈っぽくしてみました。

最後までありがとうございました。