ワクチン接種に関する方針が二転三転
- 2021.06.25
- 未分類
カナダのワクチン接種スピードはすごいです。12歳以上で1回目を打ち終わった人の割合は73%となり、世界でトップです。驚くことに若い世代の接種率も高く、トロントでは18歳から24歳の79%が少なくとも1回の接種を終えています。インド株を警戒し、今は2回目接種を大急ぎで進めています。
それにしても昨年末のワクチン接種スタートからいろいろなことがありました。方針変更のたびにトップドクターが会見し、感染症の専門家たちがテレビで国民に訴えかけ、ここまで進んできたように思います。
ざっと以下にオンタリオ州のワクチン接種の推移をまとめてみました。
2020年12月 高齢者やヘルスケアワーカーなどを優先にmRNAワクチン(ファイザー・モデルナ)の接種開始
↓
mRNAワクチンが足りない中、AZ(アストラゼネカ)の接種開始
↓
AZの接種対象者を40代以上に拡大
↓
国を挙げて「今打てるワクチン(つまりAZ)が最も良いワクチンなのでショッピングしないで打ちましょう」と呼びかける
↓
トルドー首相や州知事、市長などが次々とAZを接種
↓
AZの接種をした人に稀に血栓症の症状が出る
↓
AZの接種を休止
↓
すでにAZを接種した人は、2回目の接種にはAZか、もしくはmRNAワクチンから選ぶことができると発表
↓
mRNAワクチンの供給が増えてくる
↓
1回目にAZを打った人の2回目の接種はAZよりもmRNAワクチンが推奨されると発表
↓
ファイザーの供給に遅れが生じ、モデルナが大量に届く
↓
現時点では12歳から15歳までの接種が認められているのはファイザーのみなので、ファイザーはこの世代のためにとっておくことになり、一部地域では成人はモデルナの接種のみになる
↓
「ファイザーとモデルナはinterchangeable(入れ替え可能)。1回目がファイザーだった人も2回目にモデルナを打っても問題ないから早く2回目を終えるように。今打てるワクチンを打ちましょう。」と呼びかけ←イマココ
というわけで、私も1回目はファイザーだったのですが、今週打った2回目はモデルナとなりました。
SNSを見ていると必死でファイザーを打てる会場の情報を探している人や、2回目がモデルナになるのなら予約をキャンセルするという人も結構いるようなので、ワクチン接種のスピードが落ちるかな?と思っていたのですが実際はそんなこともなく、皆さん淡々と打っているようです。
私も少し心配でしたが、いろいろと調べた結果、ファイザーとモデルナは中身はほぼ同じであること、変異株に対しては1回の接種ではかなり心許ないことから、早く2回目を打ち終わるメリットを選択しモデルナを打ちました。
それにしてもここまで情報がコロコロ変わりそのたびにリスクとベネフィットを比較することを求められることもなかなかないと思うのですが、それもこれもすべてはワクチンの供給量が足りないからです。諮問機関も、異なるワクチンのミックスや、1回目と2回目の間隔をメーカー推奨期間よりも長くとることは、供給量が十分であれば選ばない選択であると話してたように記憶しています。
やはりそこは国内でワクチン製造をできない国のつらいところ。このような制約の中ではいろいろな混乱が起こっても仕方ないとある程度割り切って突き進むしかないと個人的には思います。
そんな中、オンタリオではやっと少しずつ経済の再開が決定しています。再開プロセスは恐らく世界一慎重だと言えると思います。何せトロントでは2020年11月から美容院が閉まっていて、やっと来週開けてもよいことになったくらいです。
この長い長い社会的制限が本当につらかったのですが、ここまで厳しく経済活動や人流を止めつつワクチン接種をガンガンに進めた国の感染状況が今後どうなっていくのか、すごく興味を持っています。うまくいくといいのですが。
-
前の記事
オンタリオのワクチン接種状況 2021.05.04
-
次の記事
近況 2022.04.18