世界大学ランキングはこう見る、大学ランキング4つの比較
こんにちは。
留学コンサルタントの藤本政信です。
最近「ランキング」というキーワードでこのブログを訪れる人が多いので、今日は大学ランキングについて書いてみます。
大学のランキングは色々ありますが、世界ランキングとしてメジャーなのが以下の3つです。
- ARWU(Academic Ranking of World Universities)
- THE World University Rankings(The Times Higher Education)
- QS World University Rankings (Quacquarelli Symonds)
これに加えてカナダの大学だけを対象にしたランキングとして
- Maclean’s University Rankings
があります。
それぞれのランキングの特徴について見てみます。
目次
理系・研究の評価が強いARWU
Academic Ranking of World Universities
上海交通大学が2003年から発表している世界大学ランキングです。
総合ランキングと5つの分野別ランキング、5つの学科別ランキングを発表しています。
ランキング内容と発表校数
区分 | 発表校数 | |
総合 | 上位500校 | |
分野別 | 自然科学 | 各上位200校 |
工学 | ||
生命科学 | ||
医学 | ||
社会科学 | ||
学科別 | 数学 | 各上位200校 |
物理 | ||
化学 | ||
コンピュータ | ||
経済/ビジネス |
総合ランキングの評価基準
区分 | 割合 | |
教育の質 | ノーベル賞またはフィールズ賞受賞した卒業生数 | 10% |
研究者の質 | ノーベル賞またはフィールズ賞受賞した研究者数 | 20% |
論文引用率の高い研究者の数 | 20% | |
研究成果 | ネイチャー誌とサイエンス誌に発表された論文数 | 20% |
論文引用数 | 20% | |
規模 | 上記指標スコアをスタッフ数で割った数 | 10% |
発表されている分野や学科を見ても、評価基準を見てもかなり理系寄りのランキングであることが分かります。
また大学の役割に教育と研究があるとするとかなり研究の比率が高い評価基準であることも分かります。
「教育の質」となっている項目もノーベル賞、フィールズ賞受賞者数ですから、理系・研究寄りの項目であることが分かります。
従って、理系の研究職を目指す人が参考にすると良いランキングということになります。
教育や産業界評価も加えバランスの良いTHE
イギリスの専門誌「The Times Higher Education」が2004年から発表している世界大学ランキングです。
総合ランキングに加えて、6つの分野別ランキング、評価ランキング、設立50年以下の大学ランキングなどを発表しています。
ランキング内容と発表校数
区分 | 発表校数 | |
総合 | 上位400校 | |
分野別 | 人文 | 各上位100校 |
医学 | ||
工学 | ||
生命科学 | ||
自然科学 | ||
社会科学 | ||
評価 | 上位100校 | |
設立50年以下 | 上位100校 | |
アジア | 上位100校 | |
BRICS+新興国 | 上位100校 |
総合ランキングの評価基準
区分 | 割合 | ||
教育 | 研究者による評価 | 15% | 30% |
教員一人当たり学部学生数 | 4.5% | ||
学士授与数当たり博士授与数比率 | 2.25% | ||
教員一人当たり博士授与数 | 6% | ||
教員一人当たり収入 | 2.25% | ||
研究 | 研究者による評価 | 18% | 30% |
教員一人当たり研究収入 | 6% | ||
教員一人当たり論文数 | 6% | ||
論文引用 | 30% | 30% | |
産学連携 | 教員一人当たり産学連携収入 | 2.5% | 2.5% |
国際化 | 外国人教員比率 | 2.5% | 7.5% |
外国人学生比率 | 2.5% | ||
国際共著の論文割合 | 2.5% |
ARWUと比較すると、文系と理系のバランスも取れていて、教育と研究のバランスも取れています。
産学連携という評価も入っており、より汎用的に見ることができるランキングということができます。
豊富なデータ量が特徴のQS
イギリスの大学評価機関「Quacquarelli Symonds」が2004年から発表している世界大学ランキングです。
総合ランキングに加えて、5つの分野、30の学科ごとにランキングを発表しています。
ランキング内容と発表校数
区分 | 発表校数 | ||
総合 | 上位834校 | ||
分野別 | 人文 | 各上位400校 | |
工学 | |||
生命科学・医学 | |||
自然科学 | |||
社会科学・マネジメント | |||
学科別 | 人文 | 哲学 | 各上位200校 |
現代言語学 | |||
地理 | |||
歴史 | |||
言語学 | |||
英文学 | |||
工学 | コンピュータ科学・情報システム | 各上位200校 | |
化学工学 | |||
土木・建築工学 | |||
電機・電子工学 | |||
機械・航空工学 | |||
生命科学・医学 | 医学 | 各上位200校 | |
生物学 | |||
心理学 | |||
薬学 | |||
農学 | |||
自然科学 | 物理・宇宙学 | 各上位200校 | |
数学 | |||
環境学 | |||
地球・海洋学 | |||
化学 | |||
資源学 | |||
社会科学 | 統計・調査 | 各上位200校 | |
社会学 | |||
政治・国際学 | |||
法学 | |||
経済学 | |||
会計・金融学 | |||
メディア学 | |||
教育学 | |||
アジア | 上位250校 | ||
ラテンアメリカ | 上位300校 | ||
設立50年以下 | 上位50校 | ||
BRICS | 上位100校 |
総合ランキングの評価基準
区分 | 割合 |
研究者による評価 | 40% |
産業界の評価 | 10% |
学生一人当たり教員数 | 20% |
教員一人当たり論文引用数 | 20% |
外国人教員比率 | 5% |
留学生比率 | 5% |
QSの特徴は非常に細かい単位でランキングが出ていることと、ランキング発表されている大学数がとても多いことです。
ランキングの評価基準はTHEに比べるとあっさりめですが、割合としては比較的似ていてバランスは取れています。
専攻が決まっている場合に、専攻別のランキングを見たい場合や他のランキングでは出てきにくい中堅校を見るには重宝するランキングということになります。
学生目線の評価が強いMaclean’s
カナダの雑誌「Maclean’s」が発表しているカナダの大学に特化したランキングです。
大学を3つのカテゴリーに分けたランキングとロースクールのランキングを発表しています。
ランキング内容と発表校数
区分 | 発表校数 | |
Medical Doctoral(幅広いPh.Dコースと医学部を持つ大学) | 上位15校 | |
Comprehensive(学部・大学院両方で幅広いコースを持つ大学) | 上位15校 | |
Primarily Undergraduate(小規模で学部教育中心の大学) | 上位19校 | |
Law School | Common Law | 上位16校 |
Civil Law | 上位6校 |
総合ランキングの評価基準
区分 | 割合 | ||||
Medical Doctoral | Comprehensive | Primarily Undergraduate | トータル | ||
生徒とクラス | 国の学術賞受賞者数(過去5年) | 10% | 20% | ||
教員一人当たり生徒数 | 10% | ||||
教員 | 国の学術賞受賞者数(過去5年) | 8% | 20% | ||
教員一人当たり学会からの研究費補助額(社会・人文) | 6% | ||||
教員一人当たり学会からの研究費補助額(医科学) | 6% | ||||
予算 | 生徒一人当たり予算 | 6% | 12% | ||
総予算 | 6% | ||||
学生サポート | 学生サービスの予算 | 6.5% | 13% | ||
奨学金 | 6.5% | ||||
図書館 | 学生一人当たり蔵書数 | 4% | 5% | 5% | 15% |
蔵書数 | 1% | - | - | ||
大学の運営予算に占める図書館サービスの割合 | 5% | ||||
図書館予算に占める蔵書収集の割合 | 5% | ||||
大学、高校、企業からの評価 | 20% | 20% |
このランキングはカナダに特化していることからカナダの大学に興味がある人以外は見ることがほとんどないランキングですが、その評価基準は他の世界ランキングに比べて独特です。
特に学生サポートや図書館などの項目があったり、高校や企業からの評価も含んでいるなど、かなり”学生目線”の評価基準です。
世界ランキングは大量の学校を評価しなければならないため、研究や論文の指標を多く用いていますが、出願を検討する学生の立場から言えば、Maclean’sのような評価の方が役に立つという人は多いのではないでしょうか。
少なくともカナダの大学に出願される方は一度は見ておいてよいランキングだと思います。
なお、Maclean’sのホームページに行くと、好きな指標と割合を自分で組み合わせて、自分の優先度に合った大学ランキングを作ることもできます。
是非見てみて下さい。
Maclean’s Personalized University Ranking Tool
次回は上記のランキングでカナダの大学が実際にどのように評価されているか見てみたいと思います。
最後までありがとうございました。
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