MOOC受講してみました(後半)
こんにちは。
Masaです。
前回に引き続きMOOCを受講してみての感想です。
MOOCって何?という方は前々回の投稿をご覧ください。
前回の投稿をご覧になっていない方は下のリンクからどうぞ。
今回は4つのプラットフォームを紹介してみます。
Udemy(ユーデミー)
提供されているコース数は数えきれませんでした。かなり多いです。
前回ご紹介したcoursera、edx、udacityと明確に異なるのが、有料で提供されているコースがあるということです。
つまり収益事業ベースでコースを提供することを認めているわけですね。
もちろん無料のコースもたくさんあります。
講師は誰でもなれます。
udemyの審査を通過すれば自由にコースに価格を付けて提供できる仕組みになっています。
そして、内容も前回投稿のようなアカデミックなものだけではなく、「子犬のしつけ方」「ヨガダイエット」みたいな生活に役立つトピックから、「エクセル入門」「セールススキルトレーニング」のような社会人向けの実用コースまで、かなり幅広く提供しています。
Youtubeから質のよい教育コンテンツだけを集めて課金できるようにした仕組み、と言えばイメージが出来るかもしれません。
udacityと同じように開講期間はなくいつでも受講できます。
「ビジネスのためのFacebookページ導入」という講座を受講してみました。
無料のコースですが、10分前後のレクチャー動画が20回のシリーズになった講座です。
受講生同士の掲示板はありませんが、受講生のリストが出て、フォローしたりメッセージを送れるようになっています。
また講師とは質問のやり取りが可能です。
MOOCというと学生向けのイメージがありましたが、ここは実務向けやより良い生活のためのノウハウが提供されている場という感じです。
もちろん中にはアカデミックなコースもあります。
有料のコースでも高くて99ドルくらいなので、社会人が英語と同時に仕事や趣味のノウハウを学ぶというのにはとても良い場なのではないかと思いました。
また何かノウハウが提供できる人にとっては、そのノウハウを提供して収益を得る場としても活用できます。
そして日本語でも講座を提供できます。まだ少ないですが日本語での講座もアップされていました。
Khan academy(カーンアカデミー)
設立が2006年ということでMOOCの草分け的存在ですね。
創設者のサルマン・カーンが「質の良い教育をすべての人々のために」という理念で始めた非営利のオンラインサービスです。
コンテンツは全て無料。
講師も多くのコースにおいては、MITで数学と科学の修士、ハーバードでMBAを取得したカーン自身が務めています。
数あるMOOCの中でも、もっとも純粋に無料教育の本来の意義を貫いているサービスかもしれません。
ここのコースの特徴は初等教育レベルから高等教育レベルまでのレベル幅の広さです。
数学、科学のコースが充実していますが、歴史、経済、プログラミングなどのコースもあります。
数学、科学などはカーン自身の講義ですが、プレゼンテーションのような演出は一切なく、いきなり黒板が写って数式の説明が始まります。
無駄なものは省いて必要なものだけを届ける、というカーンの姿勢が見えるようです。
いきなりと言えば、このサービスに登録してログインしたとき、いきなり数学のレベルチェックテストが始まったのは驚きました。
高校の数学は長らく使っていなかったので、頭のCPUがいきなり熱を持ったみたいな感覚になりました。
日本人が受講するなら、これから留学しようとしている人がおススメかもしれません。
数学の数式とか、科学の専門用語とか、英語で何て言うのかって意外と分からないものです。
そういった英語での表現を予習するには良いかもしれません。
future learn (フューチャーラーン)
こちらのプラットフォームはまだベータ版で、現在20のコースがアップされていますが、多くのコースは来年開講となっています。
コースの提供者が大学という点はcoursera、edxと同じですが、coursera、edxがアメリカの大学が多かったのに比べて、こちらはイギリスの大学がメインです。
有名どころではエジンバラ大学、ロンドンキングスカレッジ、ランカスター大学、ニューキャッスル大学、ウォーリック大学などです。
コースは開講時期が決まっているタイプです。
受講はしていませんが、予告版の動画が閲覧できます。
この予告動画がドキュメンタリー番組のようなクオリティです。
また現在アップされているコースのラインナップを見ると、「戦争の原因」「気候変動に向けたチャレンジと解決法」「英国におけるムスリム」など、this is 教養という感じのテーマが多いです。
若い人のみならず30代、40代以上の方にも興味深い内容ではないでしょうか。
MOOCの中では後発組ですが、その分、イギリスらしい高品質の教養コンテンツを提供することで差別化するという方向性が見えます。
個人的にはとても興味を感じるプラットフォームです。
Canvas.net(キャンバスネット)
本日時点で52コースが提供されています。
コースは有料のものと無料のものがあり、誰でも講師になることができるなど、Udemyとプラットフォームの仕組みが似ています。
Udemyとの違いは、開講期間が決まっていることと、コース提供者が大学が多く、内容もアカデミックなものが多いことです。
コースは、他のプラットフォームのように、動画レクチャーや課題があるものになります。
他のプラットフォームに比べると、ここが強みと言えるところが、ちょっと少ないかもしれません。
(私も7つ目の受講で、さすがにちょっと疲れてきたか??)
まとめ
さて2回の投稿に分けて、7つのMOOCプラットフォームを横並びで紹介してきました。
同じMOOCのプラットフォームでも、各サービスで色々と特徴があるのが分かりました。
どのプラットフォームが良いか迷っていらっしゃる方がもしいれば、参考になれば幸いです。
日本でも英語版の講座を日本語化する動きや、日本独自のプラットフォームを立ち上げる動きがニュースになっていますね。
何でもかんでも欧米に遅れを取ってしまうのは日本人としては悔しいところですが、こういった動きで教育の質が良くなるのならば歓迎する動きです。
前回の投稿でも書きましたが、受講してみて、個人的にはかなりインパクトを受けました。
まず大学の存在価値がかなり変わってきそうだと感じたこと。
そして、今回ご紹介したプラットフォームを見ると、社会人のためのスキルアップや大人のための教養の場としても、かなり機能しそうだということが分かって頂けるのではないかと思います。
貪欲に学びたい人にとっては、年齢や立場に関係なく、無料か安価で知識、教養を得られるようになっています。
また逆に、人に教えられるノウハウや知識を持っている人は、誰でもそのコンテンツを世界中に届けることができるようにもなっています。
インターネットの出現で、かつては守られた一部の組織だけが持っていた知識とか特権は、次第に個人の手に移り、全体として個人が力を持つようになっています。
とは言え、本当に個々人で戦えるような強い人は、常に知識や情報をアップデートして、それを武器として使える人です。
そういう人たちにとっては、MOOCという学びの場はこの上ない強力な武器になるのではないでしょうか。
学びのカタチが大きく変わろうとしている、それを感じた週末でした。
さて、このブログの大きなテーマの1つは「留学」なのですが、MOOCの出現で、「留学」のカタチはどう変わるでしょうか。
最後までありがとうございました。
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