コミュニティカレッジからユニバーシティへの編入について

コミュニティカレッジからユニバーシティへの編入について

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こんにちは!

留学コンサルタントの藤本政信です。

 

このようなリクエストをいただきました。

学費節約のため、または英語での授業にスムーズに適応するために、コミュニティカレッジの大学編入コースを経由して大学の3年次に編入するという方法をとっている方もいらっしゃるようですが、そういった方面についても藤本さんの記事を拝見出来たらと思っております。

 

少し解説しますね。

カナダには4年制の大学であるユニバーシティと2年制のコミュニティカレッジがあります。

コミュニティカレッジは2年制ですから制度的には日本の短大に近い感じもしますが、性質は少し異なります。
コミュニティカレッジは元々地域(コミュニティ)の職業訓練校の意味合いが強いので、短大というよりは専門学校に近いイメージです。
ということで、コミュニティカレッジは職業訓練コースがメインなのですが、中には大学編入コースを設けている学校もあります。
この大学編入コースは、職業訓練コースとは別コースで、ユニバーシティに入学するための準備校的な位置づけです。

ただ日本の予備校と違うのは、大学編入コースではユニバーシティの1-2年の一般教養課程に相当する授業も行っており、ユニバーシティに編入するときに、コミュニティカレッジで取得した単位を編入先の大学での単位取得に振替えることができるという部分です。
なので、コミュニティカレッジの大学編入コースで2年間勉強した後、ユニバーシティに編入できれば、そのときは2-3年生からスタートできるというわけです。

ということで、最終的にユニバーシティで卒業して学士の学位を取得する場合、最初からユニバーシティに入学するルートと、コミュニティカレッジの大学編入コースから編入して卒業を目指すルートがあるということです。

 

ここで本題に戻ります。

この2つのルートの場合、どちらが良いでしょうか?

ユニバーシティへの直接入学ルートと比較してのコミュニティカレッジ経由の良い点と良くない点それぞれを挙げてみます。

まずコミュニティカレッジからの編入の場合ですが、入学の基準が緩いことが挙げられます。
ユニバーシティの場合、入学にTOEFLで80点から学校や学部によって100点以上を求められることがあるのに比べて、コミュニティカレッジでは80-88点程度が入学許可ラインとなっています。

これは単純に入学しやすいことを示しています。
従って、どうしても入学タイミングまでにユニバーシティで求められる入学基準を超えられない場合は、入学時期を遅らせて再度チャレンジするか、コミュニティカレッジ経由で編入を狙うルートを選択することになります。

またコミュニティカレッジの学費はユニバーシティの学費より一般的に安いことが知られています。
ユニバーシティ1年間の学費は学校によって異なりますが、極端に高い学校や安い学校を除くと14,000-25,000カナダドルの範囲に入る学校が多いです。
それに比べてコミュニティカレッジは年間学費で12,000-17,000カナダドル程度となっています。

ざっくりと言って1年間で5,000ドルくらいの差でしょうか。
日本円にして、2年間で100万円くらいの差があるということです。

一方、コミュニティカレッジ経由の場合の良くない点ですが、これは一度編入のための出願というプロセスが必要という点です。

つまりコミュニティカレッジの大学編入コースに行ったからといって必ずユニバーシティに編入できるとは限らない点です。

一般に編入できるかはコミュニティカレッジにおける授業の成績が大きなウエイトを占めます。
つまり、コミュニティカレッジ内でもある程度の成績を収めなければ編入できないという可能性があるということです。

ということで、結局はメリットとデメリットのバランスをどう考えるか、ということになります。

 

コミュニティカレッジの担当者に聞くと、コミュニティカレッジ経由で力をつけながら編入しましょうと言います。

一方、ユニバーシティの担当者に聞くと編入時にまた競争をしなければならないので、最初から直接入学を目指して腰を落ち着けて4年間を過ごすべきという言い方をします。

結局どちらの言い分もあるということですね。

コミュニティカレッジやコミュニティカレッジのエージェントはコミュニティカレッジを推したいので、その魅力を伝えようとします。

でもユニバーシティの方も条件付き合格だったり、付属の予備校的な設備を持っていたりとサポート体制はあります。
ユニバーシティの担当者にコミュニティカレッジからの編入の話をしてもほとんどピンと来ない様子でした。
アメリカのカレッジ編入よりも一般的ではないのかもしれません。

誰がその情報を発信しているかというのをしっかり見たいですね。

私の意見を言わせて頂くなら、そもそも直接入学が難しい場合ならコミュニティカレッジは1つの選択肢ですが、もしユニバーシティに直接入学できる力があるのであれば、学費節約のためだけにコミュニティカレッジ経由を選択するというのは、慎重に判断すべきと考えます。

100万円の学費節約と編入出願に必要なエネルギーとストレス・リスクを考えると見合わないように思います。

最初からユニバーシティの授業についていくのは大変だからコミュニティカレッジの授業で慣らすという考え方もありますが、基本的にユニバーシティの入学基準をクリアしていれば、学校側も授業についていけるという判断をしているということになりますので、自信を持っていいと思います。

 

ということでコミュニティカレッジ経由の編入について書いてみました。

もちろん、ここで書いたことは一般論なので、個別に事情は異なると思いますが、是非幅広い視点で選択肢を比較してもらえればと思います。

最後までありがとうございました。