ただ海外に行っても英語は身に付かない3つの理由

ただ海外に行っても英語は身に付かない3つの理由

 

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こんにちは。藤本です。

私は、新しい方にお会いして自己紹介するときに、こんな会話になることが多いんです。

相手「お仕事は何をされているんですか?」

私「インターネットのスカイプを使って留学サポートをしたり、英語指導をしています。」

相手「いいですね。私も英語出来るようになりたいです。」

私「出来ますよ。私も30歳までは全く英語出来ませんでしたから。」

相手「え?30歳からでも出来るようになるんですか?どうやったんですか?」

 

ここでの答えは

「いや、2年ほどカナダに留学してたんですよ。」

と言うことが多いです。

そうすると

「ああ、なるほど。」

と納得されるケースが多いです。

 

多くの人は

「留学さえすれば英語はできるようになる」

と思われています。

 

でも事実はそうではありません。

本当のことを言うと、私自身は、英語の基礎力を身につけたのは、間違いなく留学前の勉強でした。

 

具体的には・・・

単語を地道に覚えて

文法を勉強し直して

毎日英語を集中して聞いて

ライティングの書き方を勉強して

問題集を時間測ってを解いて・・

 

確かに留学してから伸びた部分もありますが、感覚的には今の英語力の8割くらいは留学前に身につけた感じでしょうか。

 

そして

「留学すれば何とかなると思っていたけど、思ったほど英語力がつかなかった」

という留学経験者は、驚くほどたくさんいることをご存じでしょうか。

 

私に連絡を下さる方も、

「実は1年ほど海外にいたのですが、まったく英語力が伸びず、帰国後再度勉強しているところです。」

という方が何人もいらっしゃいます。

 

その原因として、よく言われる

「留学しても、現地では日本人同士でつるむだけで、英語を使わなかった」

という要素もあるかもしれませんが、そうならないようにした人でも、意外と英語力はつかなかったと思う人が多いのです。

 

 

なぜ留学しても思ったように英語力が伸びないのか、その理由を3つほど挙げてみたいと思います。

 

1.初心者レベルの場合、英語で英語を学ぶことが出来ない

まず、ほとんど英語が出来ない状態で語学留学などしてしまった人にありがちなのが、英語を英語で学べないということです。

留学して、まじめに現地の語学学校に通ったとします。

でも当然、教える先生はネイティブなので、説明も全部英語、テキストも全部英語です。

つまり英語を聞き取れなければ何を言っているか分からないし、英語がしゃべれなければ質問することもできません。

ある程度基礎力を持っている人は、全部英語の環境に浸ることで、力をつけることは出来ますが、最初の基礎力の部分は、いきなりオール英語の環境で学ぼうとするときわめて効率が悪いということになります。

だから初心者レベルなら、まずは慣れた日本語環境で基礎力を作り上げることが、よっぽど効率的です。

 

2.必要なインプットをしていない

次にある程度英語が分かる人が留学した場合、1.のようなことは起こりませんが、きちんとインプット作業をしないと、英語力が一定レベルで留まるということがあります。

例えばレストランで注文するとか、道を尋ねるとか、タクシーで行先を説明するとかは、かなり限定的な決まりきった表現だけで事足ります。

また、友達との会話でも、授業を聞くのでも、慣れてくると、一部の単語だけ聞き取って、頭の中で内容を組み立てて理解する、ということが出来るようになってきます。

逆に、自分が言いたいことも、割と決まった表現だけとか、単語を伝えるだけで伝わるようになります。

これは、これで重要なスキルではあるのですが、これで安心してしまうと、英語力という観点からは一定レベルにとどまった感じになります。

長い文章になると読めないとか、正確な英文が書けないとか、慣れない人との込み入った会話は出来ないという状態です。

ここを突破するには、日常会話や、授業を受け身で聞くだけでは不十分で、積極的に単語量を増やし(暗記し)、難しい文章にも触れていかねばなりません。

ここが出来ないと、日常会話は出来ても、TOEFLやIELTSは歯が立たないという状態になります。

 

3.目標のレベルが曖昧

これはそもそも論ですが、英語を身につけるって思ったより時間がかかります。

だから、何となくネイティブレベルになりたい、って思ったとしても、そりゃ1年くらいの留学じゃ無理という話です。

そして、どこまで極めていっても、まだその上のレベルってあるものです。

そんな上のレベルと比べると、どんなに努力しても、なかなか「自分は英語が出来るようになった」とは思えないものです。

私なんかよりはるかに英語が出来る人でも「自分の英語力なんて全然」とおっしゃっています。

加えて、留学あっせん業者が、「留学したら英語が出来るようになる」というイメージで宣伝するものですから、留学しようとする人は期待値だけが高まっています。

この3つの要素が重なるので、留学経験者ほど、「留学しても思ったように英語が出来るようにならなかった」と思いがちです。

これをクリアするには、目標とする英語力を現実的に決めることです。

いきなりネイティブレベルでなく、何ができるレベルになりたい、スコアで何点取れるようになりたい、と決めるわけです。

そうすることで、フォーカスが定まり、目標達成の暁には、充実感を味わうことができるでしょう。

 

 

ということで、ただ留学しても英語力が上がらない3つの理由を挙げてみました。

この3つがクリアできるなら、留学した成果として英語力を手に入れることが出来るでしょうし、逆にクリアできないなら、英語力が上がったと感じないまま留学を終えることになります。

大学留学の場合は、TOEFLやIELTSを求められるので、必然的に留学前に英語を勉強することになると思いますが、「英語力がないから、まずは現地の語学学校に」と思っている人は要注意です。