カナダ移住日記 自動車の入手

カナダ移住日記 自動車の入手

こんにちは。藤本です。

今日は車の話です。

我が家はトロントに来る前は大阪や東京という都心に住んでおり、今まで車を所有したことがありません。

会社員時代は激務で車に乗る時間がありませんでしたし、妻は免許を持っていなかったため、コストパフォーマンスを考えて車のない生活をしていました。

バイクは持っていましたが、実際、都心を移動するのはそちらの方が快適でした。

 

でも、もしかしたら移住後は車生活になる可能性もあるかなというのは、何となく考えていました。

そのため、妻は一念発起して教習所に通い、トロントに発つ1か月前に免許を取得しました。

 

しかし、実際に移住してからは、地下鉄やバスなどの公共交通機関、Zipcarというカーシェアリングのサービスやレンタカー、タクシーなどが充実していることもあって、それらを駆使して、やり過ごしてきました。

アメリカなどは公共交通機関がそもそもなかったり、あっても治安上問題があると聞いたりしますが、トロントの地下鉄やバスは割と安全でとても便利です。

雪が降る時期も長いので、運転したくないなーと思いながら、車を持つ生活はあまり現実的に考えていませんでした。

 

しかし、次女がわがまま期に突入したこともあり、一旦スイッチが入って泣きわめくと、地下鉄だろうが、バスだろうが、泣き止まないようになってきました。

次女の泣き方は、長女のときと違って、かなり強烈で、「キー!!」という泣き声が、相当遠くまで響き渡ります。

以前バスで長時間大泣きされたときは運転手に「たぶん体の調子が悪いのだろう。胃が痛いのでは。」となぜか胃痛を心配され、ほかの乗客の女性にも「そうよ、きっと胃よ。」と断言されたくらいです。(バスを降りたらケロッと泣き止んでましたが)

そんなこともあって、公共交通機関を使って家族で遠出するのはすっかり消極的になっていました。

 

また、長女は週1日補習校やピアノのレッスンに通うようになり、その都度地下鉄やバスを利用する時間ロス(車で10分の場所でも地下鉄・バスだと40分かかるとか)も徐々に表面化してきました。

その他、車でしか行けない場所に買い物に行くのに車を借りるコストや、せっかくトロントにいるのに行動範囲が狭まっている現状を考えて、春の訪れを感じ始めた先月末に、ついに車を入手する決断をしました。

 

車を入手する方法はいくつかあります。

 

まずは現在車を所有している人から個人売買で購入する方法。

これは、インターネットの掲示板やメーリングリストを見て連絡する方法で、恐らく一番安く車を入手する方法です。

が、高い買い物であり、故障車や整備が出来ていない車を入手してしまったときの事故や故障のリスクはとても大きいです。

安く購入したは良いけど、結局その後修理をしたら新車より高くなったという話もよく聞きます。

また所有者変更の手続きなども原則、自分でする必要があります。

その意味では、車の目利きができるスキルが必要になります。

日本人から購入する場合は、丁寧に使っている人も多いし、やり取りも日本語で出来るので、まだ安心できます。

トロントの場合は、日本人向けのメーリングリストがあるので、そこに登録しておけばたまに情報が流れてきますが、住んでいる日本人の数が限られている上、必ずしも希望する車種でなかったりするので、チャンスはそう多くはありません。

 

次に、個人売買や中古市場の車を入手するには、エージェントを雇って、そのエージェントに最も希望に合った車を見つけてもらうことも出来ます。

もちろんエージェントへの手数料は発生しますが、下手に変な車両を入手して、後から高い修理費を払うよりは、安上がりになる、という仕組みです。

エージェントとのやり取りは英語になるので、英語のスキルが高くて、自分の希望がハッキリしている場合は、エージェントを使うのが1つです。

 

3つ目がディーラーで入手する方法です。

トロントには、たくさんの車のディーラーがあるので、そこで入手するという方法です。

 

我が家は、これまで車を持ったことがないので、車に関してはド素人の知識。

希望もはっきりしないし、もちろん車の目利きも出来ないので、この第3の方法で行くことにしました。

 

さて、ディーラーといってもたくさんあります。

大きくは、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルなどの日系ディーラーの選択肢と、BMW、フォード、現代などの日本メーカー以外の選択肢に分かれます。

日本車は高いけど、故障はしにくい、という評価です。

私自身、レンタカーやZipcarで、複数のメーカーの車に乗った印象としても、日本車の印象が良かったため、日系のディーラーを訪問しました。

 

ここまで来れば、あとはその人の好みだと思いますが、トヨタに関しては、トロントで唯一(だと思いますが)日本人のセールスと日本人のメカニックが常駐しています。

つまり車の契約や故障時のやり取りが日本語で出来るメリットがあります。

車素人の私たちにとっては、このメリットがとても大きかったので、まずは知識ゼロでトヨタに行って色々話を聞きました。

(実際は、その後別のディーラーにも訪問しましたが、やはり車の知識が全くない素人には、英語での説明や契約内容を理解するのは大変だと悟りました。)

そこで、車の形状にはいろんな種類があることを知ったり(こんなレベルです。。)、およその価格感も知ることができました。

 

このディーラー訪問で一つ知ることが出来たのが、入手の方法には、購入とリースがあるということでした。

 

日本はリースがそれほどメジャーではないですが、カナダでは割と一般的なようです。

リースは、要するに長期でレンタルする感じで、契約は1年から5年まで年単位で可能で、走行距離に制限があったり、契約期間内で解約した場合は違約金があったりというのはありますが、数年使ってまた新しい車に乗り換えるなら良い選択肢です。

そして、それぞれに新車と中古車の区分があって、つまり「新車購入」「新車リース」「中古購入」「中古リース」の4つの選択肢があるわけです。

購入を月々のローンで支払ったとして、もし同じ期間払い続けるとしたら、この4つの中で、月々の支払い額が一番安いのはどれか?

実際に見積もりをもらいましたが、実は一番安いのが「新車リース」でした。

これはちょっと意外でした。

 

もちろん、中古の状態にもよりますが、理屈としてはこういうことです。

購入は、車両価格全部を支払うのに対して、リースは契約期間に車として減った価値の分だけを支払う訳なので、当然支払額はリースの方が安くなります。

車は年数と走行距離が増えれば価値が減っていきますが、その減り方はだいたい一定で、例えば、新車から1年乗ったら、価値は1万ドル減るけど、中古から1年乗っても価値は9,000ドルぐらい減るという感じです。

なので、新車リースも中古リースも月の支払額はほとんど変わらないのですが、新車リースには金利がかからない(これはトヨタのこの時期だけの条件かもしれません)ので、結果的には新車リースが一番安いというわけです。

 

こんな知識を得て、「中古購入」か「新車リース」かで迷いましたが、最終的には「新車リース」に決めました。

永住者は、購入をする人が多いようですが、一番決め手になったのは

「3年後に、どこで何をしているか分からない(笑)」

という思いでした。

 

5年前に今の生活が全く予想できなかったのと同じように、今後もどこに行って何をしているか、本当に分からないんですよ、私達は(笑)。

今後の人生を固定したくない、という思いもあるかもしれません。

という理由もあって、これまで家や車も所有してこなかったんですね。

今回は、運転素人の妻のため、運転しやすい車を優先しましたが、今後は子供も大きくなるし、3年後にはライフスタイルも変わって、違う車に乗りたいと思うかもしれないとも思っています。

 

さて、こうして知識ゼロから車の入手までを決めた私達ですが、もう1つ超えるべき壁がありました。

それは自動車保険です。

 

カナダの自動車保険は日本に比べてビックリするくらい高いです。

特に、カナダで運転歴が無い場合(日本であったとしても)、そしてトロントという都心に住む場合、保険料は跳ね上がります。

事故が多いためですが、実際運転していると無理な割り込みや車線変更が多いことに気づきます。

雪が降れば、スリップ事故も多発します。

また、保険金詐欺や車の盗難なども後を絶たないためどうしても保険料が上がってしまうとか。

 

最初に見積もりをお願いしたところは、年間7,800ドル(月600ドル以上)と来ました。

次に見積もったところも、年間6,000ドル(月500ドル以上)です。

日本の保険料と1ケタ違い、月々の支払は、車本体のリース料よりもはるかに高いです。

この保険料はさすがに無理か、と思っていましたが、色々探したところ、半額以下の保険を発見。

一応、大丈夫かと思って調べましたが、それなりにちゃんとしたところだったので、ここで手を打ちました。

まあ、それでも日本の保険よりははるかに高いですが、無事故で1年を乗り切れば、来年以降、保険料は下がるようなので、安全運転を心がけたいと思います。

 

色々ありましたが、こうして無事に車を入手することが出来ました。

これで、色々行動範囲を広げて、生活をより充実させていければと思います。